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帰るんかと思いきや
せっかく来てくれたし、とカフェに一緒に入った。
あたしとおるとこ見られても大丈夫なん、と一応聞けば
そんなん気にせん！と太陽のような笑顔を向けるから
危うく惚れてしまうとこやったわ。
｢何食べたい？｣
｢んー…チョコタルト｣
｢あーそうやAさんチョコ好きやったもんな笑｣
何で知ってるんや…喋ったっけ…
｢小瀧に聞いてん笑 飲みもんは？｣
｢あぁ小瀧か。ミルクティーで｣
｢意外に女の子なもん好きなんやな？笑｣
それ小瀧にも言われたけど、そんなに甘いもん食べてんの意外か？
ピンポンを重岡が元気よく押し、ニコニコしながら
店員さんにあたしの注文と抹茶ラテを頼む。
あたしたちと同じか少し上ぐらいの店員さんは、
重岡を乙女の目で見ていた。
…まあ、学校じゃ小瀧で霞んでるけど
重岡も普通にイケメンの部類やしな。
｢店員さんめっちゃ見てたで｣
｢え、ほんま？笑 遂に俺もモテ期か…｣
｢おめでとう笑｣
わざとらしく額に手を当てて悩むような仕草をするから
一応拍手をしてあげる。
するとグイッと顔を近づけてきた重岡が小声で言った。
｢Aさんも俺の事かっこいい思う？｣
｢え…まぁ普通にかっこいいんちゃう｣
わざわざ小声で言うようなことかな。
周りから見てカップルに見られんように？
でもこんだけ顔近づけてたらカップルにしか
見られへんと思うけど…
『しげっ！何してんねん！』
後ろから聞き覚えのある声。
重岡はニヤっと笑ってあたしから離れた。
｢Aさん、王子来てもたわぁ。
せっかく2人で楽しんでたのにな？｣
カフェの入口に、カフェに負けない
オシャレな雰囲気を纏った小瀧。
それと…
｢Aちゃんと重岡くんや、偶然やねぇ｣
ピンクの花柄のワンピースを着たモカちゃん。
化粧してるモカちゃんはいつにも増して可愛い。
2人で…遊んでたんかな。
ちくり。
小さな痛みが胸を刺した。
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作者名：カジャ
| 作成日時：2022年9月12日 21時
