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「今日ね、すごく忙しくて」
「うん」
「それは仕事だから仕方ないんだけど、疲れちゃって」
「うん」
ちゃんと相槌を打ちながらきいてくれるたつに、私は頭に浮かんだことをそのまま言葉にする。
とりとめのない言葉たちに、たつは眉を顰めたりしない。
「そしたら久しぶりに痴漢にあって」
「うん…、…え？」
目をまん丸にしてるたつには構わず、とりあえず話し切る。
「いつもなら腕ひん曲げてやるんだけど、
疲れててその気力もなくて、
気分だけめちゃくちゃ悪くなって、
帰ってきたのにたつがいなくて、なんか、無気力になっちゃったの」
たつの鎖骨のあたりにおでこが当たるように
ぱったり身体を預けると
大事そうに抱きしめられて
「ごめん」
申し訳なさそうに、ぼそっと囁く。
返事せずに、大人しくたつの腕の中にいながら
冷静になって、どうしてたつがいないというだけであんなに不安になったのか考えた。
ずっと一人で暮らしてきたのに
いつの間にか、たつが家にいるのが当たり前になっていたから
『おかえりぃ』って抱きしめて、宥めてくれるのが当たり前になっていたから
当たり前をなくしたときの人間は、ひどく弱いから。
そう、弱いからだ。
あんなことですぐに疲れて、勝手に落ち込んでしまう自分が弱いから。
なのに、せっかく強くなりたいと思っても
大きな手が髪を撫でて
「怖かったやんな」
って、小さい女の子にそうするみたいに優しく言うから
私は「怖かった」と泣くことも
「大したことじゃないよ」と笑い返すこともできない、中途半端なまんまだ。
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茜音(プロフ) - ゆうきさん» ありがとうございます。理由はパート５で明らかになりますので、ぜひお越しください(^^) (2016年4月24日 0時) (
レス) id: 6872b18133 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - もうｷｭﾝｷｭﾝします。たつなんででて行ったのか続きがきになります。 (2016年4月22日 7時) (レス) id: 547fbdc7c8 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - はるなさん» ありがとうございます！最近、私の生活リズムがちょっと変わったので、更新できない日もあって申し訳ないのですが、これからも楽しみにしていただけるように頑張りますね！ (2016年4月15日 18時) (レス) id: 6872b18133 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - つなさん» ありがとうございます。皆様の1日の癒しになるように、柔らかく穏やかなお話をモットーに書いていますので、そう言っていただけて嬉しいです！これからも楽しみにしていてください(^^) (2016年4月15日 18時) (レス) id: 6872b18133 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - るんさん» ありがとうございます！一番だなんて嬉しいです！（＾◇＾）これからもよろしくお願いいたしますね！ (2016年4月15日 18時) (レス) id: 6872b18133 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茜音
| 作成日時：2016年4月4日 0時
