きみはペット（緑）３

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酔っ払う前にお酒は引き上げて

歯磨きして、そのまま寝室へ…っていういつもの流れの中で

大事なことに気がついた。


あんなに悩んだプレゼント、渡してない！


「たつ！」


寝室のドアに手をかけてたたつを呼んだら、思いの外大きな声が出た。



びく、って怒られたみたいに肩を揺らすたつ。


ソファに座って、ここにおいでって隣をぽんぽん叩くと

不思議そうな顔でおとなしく腰掛けた。


少し焦らしてやろう、と思って
じいっと目を見つめてみたら


「なにぃ？」


白い歯を覗かせて、こくりと首を傾げる。


なんでこう、ひとつひとつの動きがゆっくりなんだろう、と

せっかちな私はたつを見る度に思うのだけれど


「Aちゃーん？」


それに癒されてるのも事実。


「目ぇ瞑って」


なんなーん？って文句垂れながらも言う通り目を閉じるたつ。


鞄から取り出した小さな箱のラッピングをといて

ピアスを指に持って、そっとたつの脚に跨る。


さりげなくお尻に回ってくる手ははたき落として


「じっとしなさい」


怒った声色でそう言ったら、

はーい、って不満げに返事した。


そっとたつの髪を避けて

ピアスホールのある左耳に触れる。


人の耳にピアスを刺すというのは、なかなか緊張する行為で

震える指先でなんとかつけられた。

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