きみはペット（緑）３

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目を覚ますと同時に、ぐらんと頭が揺れた気がした。


いつもなら目が覚めたらすぐに起き上がるんだけど

身体がだるくて、すぐ目の前にあるたつの(もちろん服は着ている)広い胸板に抱きついた。


起こしちゃ可哀想だから、そうっと、触れる程度にだけれど。


私より幾分か高い体温


胸に耳を寄せて、規則的な心臓の音に耳を済ました。


そのままじっとしていると、昨日のことを思い出した。


そうだ、祝賀会で調子に乗って飲み過ぎて

ベロベロになっちゃって…


そこからどうしたっけ？


あの状態で1人で帰ってこられるはずがない

誰かがタクシー呼んでくれたとか？


悶々と考えていると

頭の上からんふ、って掠れた笑い声。


見上げると、たつが目を閉じたまま笑ってて

寝てるのか起きてるのかわからなかったけれど


「Aちゃーん、抱きつくならちゃんと抱きついて？

それくすぐったい」


って言葉で、起きてるって分かった。


「いつから起きてたの？」


「さあ、いつやろなぁ」


くつくつ笑う振動が伝わってくる。


たつはいつも、私が起きるときは眠っているのに
出かけるときにはちょうど起きているから

ときどき、狸寝入りなんじゃないかと疑いたくなる。


はぐらかしているあたり、ますます怪しい。

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