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そんな魔法も、会社につけばまたなかったことになる。
言ったよねー、コピー50部って私、言ったよねー
なんでかなー、何をどう間違えたら100部になるのかなー
え、マジすか!じゃないよねー、間違えたときくらいちゃんと敬語使おうねータニタくん
言ったよねー、独身だって私、一昨日も言ったよねー
なんでかなー、一昨日のことも覚えてないなんてもう物ボケ始まってるよねークソ課長
午前中だけでもこんなにフラストレーションが溜まることにびっくりしてる。
けれど、いつもと違うのは
帰るとたつがいると思えることで
それだけで気持ちはいつもよりずっと楽で。
お局(根に持ってる)の私は、食堂で1人でご飯を食べる。
これはいつものことだし、別に寂しくも何ともないんだけれど
「あー、こんなとこにさみしい奴がおる」
ぐぐっと頭に乗っかる肘
見上げなくても、誰だか分かってる。
「重いんですケド。錦戸サン」
そう言うと、面白がってもっと腕に体重がかかるようにしてくるこいつ、同期の錦戸。
顔がよくて仕事もできて、女の子たちに年がら年中キャーキャー言われてる。
のを、鬱陶しそうにしてるのをずっと隣で見てきた。
「しゃーないし俺が一緒にメシ食ったるわ」
って、頼んでもないのに錦戸は
どん、と隣に唐揚げ定食を置く。
「あんた、また唐揚げ?」
「おん、うまいやん唐揚げ」
って、一瞬だけニコッとする顔は確かに可愛いよ。
でもこいつ、30だから!
30で唐揚げと焼きそばと生姜焼きしか食べられないってどうよ!?
そんなこと言ったら思いっきり足蹴にされるから、言いませんけど。
嫌いな食べ物は?って聞いたら
ないっ!ってすぐに答えたたつを思い出して
無意識に頬が緩んだ。
「なにニタニタしてんねん」
気持ち悪、って眉を顰める錦戸とはほんとにえらい違いだわ、うちのペットくんは。
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茜音(プロフ) - yuyuさん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけて嬉しいです!秘密の恋人みたいに重いお話ではありませんが、こちらのお話も楽しんでいただけたら幸いです! (2016年2月14日 0時) (レス) id: 6872b18133 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - こあさん» 名作なんて滅相もない!こあさんに楽しんでいただけるように、このお話も頑張りますね♪ (2016年2月14日 0時) (レス) id: 6872b18133 (このIDを非表示/違反報告)
yuyu(プロフ) - はじめまして、亮ちゃんの秘密の恋人とっても感動して茜音さんの小説が大好きになりました!茜音さんの小説をまた読みたいと思ってたので新作嬉しいですo( ^_^ )oこれからも応援してます!! (2016年2月13日 12時) (レス) id: 6c48d9adcc (このIDを非表示/違反報告)
こあ(プロフ) - 茜音さん» いえいえ、あれは名作ですよ(。´Д⊂)ぼーっとしてたんです~ こちらこそ、お話ありがとうございます♪ (2016年2月13日 1時) (レス) id: a127aff5ea (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - こあさん» わーこあさん!お久しぶりです!やすくんのお話は名前コロコロ変えちゃったので、覚えづらかったはず(笑)たつくんのお話もまた楽しんでいただけたら幸いです♪本当にいつもありがとうございます。 (2016年2月13日 0時) (レス) id: 6872b18133 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茜音 | 作成日時:2016年2月10日 13時