完全征服 5【jshk】【kymjr】 (ページ48)

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5-46　「我が身を捧げるに値する貴方」ページ48

大我side

北斗は小声で俺に愛してると伝えると息絶えた。

既に溢れていた涙が北斗の後を追うようにこぼれる。

「ねえ……北斗。

俺は誰を守っていたんだろうね。

1番守りたかった北斗をなくして……

さらにはこうやって樹もさっくんも巻き込んでさ…

別に北斗が蛾じゃなくても俺はさ

北斗のことが好きだった。」

今までの悔しさと恨ましさが感情を支配する。

「大我……ジェシーどうするの?」

佐久間が尋ねる。

どうするも何もねえんだ。

俺の意見は北斗を守ると決めた日からとっくに決めてる。

「ジェシーがここに来なかったらこんなことにはならなかった。

俺の肉なんてあげない。

ジェシーが生き返ったとしても、北斗は生き返らない。」

「どういうこと?」

理解が出来てないジェシーに

俺が解毒蝶という特殊な蝶であることを伝える。

ジェシーは真っ先に俺に飛びついてきた。

その瞬間佐久間は俺を守るように前に出て、

樹は傀儡の機能を使ってジェシーを止めた。

「ジェシー。ここにいる誰もジェシーのためにきょもはあげないよ。」

静かに告げられた言葉にショックを受けるジェシー。

でもその刹那、ジェシーは苦しみ出した。

蛾の毒が回ってきたんだ。

ここにいるみんながジェシーの死を当然としている。

その事実に身震いしながらも、

北斗を殺した張本人への恨みは止まらなかった。

苦しめばいい。

罪の意識を再確認しながら。

苦悶の表情で生へもがくジェシーを誰も助けはしなかった。

それを、光悦とした表情で3人が見つめる。

俺は自分の願いが全てが叶うこの世界に満足した。

しかし、死んだ人が戻らないこの世界を恨んだ。

でも、俺はこの世界が好きだ。

だって、この世界は既に俺の傀儡だから。