黄昏の契り２【忍たま乱太郎】【雑渡昆奈門】

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雑渡「忍者文字の暗号文だね」
A「はい、それにしても手の込んだことを」


多分習ったから使いたかったんだろう。

※「善法寺伊作より」
羊、ハ、口で「善」。
水は氵に去で「法」、土と寸で「寺」。
人はにんべん、尹(いん)で「伊」。
竹がたけへんで、乍(ながら)と合わせて「作」。
寄は、そのままよんで「より」。
解けました？


「届くか分からないけど、夕月に頼んでみました。沢山引っ掻かれましたけど。
A先輩、読んでくれてますか？
僕と留三郎は二年生になりました。今年も同室で、僕はまた保健委員をやってます。
先輩いかがお過ごしですか。
また今度遊びに来てください。
お茶淹れるの上手くなったので飲んで欲しいです。
お仕事頑張ってください」


雑渡「忍者文字使ったのは差出人の名前だけだったね」
A「力尽きたんだと思います(主に作者が)……」


3度ほど読み返してから袂にしまう。
大事に取っておこう。
しばらくは行けないだろうし。


雑渡「……………タソガレドキ忍軍に就職したことを知られなければ、監視役付きで学園に行かせてあげることもできるけど」
A「仕事覚えてからでいいです」
雑渡「そう？」
A「私は嫁に来る以前に就職したんです。
気を使ってくださるのは嬉しいですけど、私も半端な覚悟でここへ来たんじゃないんですから」


特別扱いはされたくない。


A「ベニテングタケとの戦さは、近隣諸国の周知なのですか？」
雑渡「いいや、ベニテングタケは闇の中ひそかに進軍している。朝になれば気がつくかもしれないが、この里は音が篭る。
山に音の進みを阻まれるからね。
ベニテングタケの攻撃開始に合わせて殿がベニテングタケ城を攻めるから、そちらに気を取られてこちらで戦さがあったことすら気がつかないだろう」


タソガレドキの里は、里の者と殿の一族しか知らない。忍び里とはそういうものだ。
戦さすらも揉み消し、存在を隠すのは、それが里の存続に必要だから。
外部から人を入れない理由がそれだ。


雑渡「鷹は手紙受け取ったら行かせちゃったけど、返事書きたかった？」
A「いえ、そう連絡できないというのはちゃんと伝えてあるので。
夕月が戻れば届いたことは伝わるでしょうし。何年かは会いにはいかないつもりでしたし」


何年かしたら、会いに行こうと思う。


雑渡「じゃあ、もう何年か経ったら一緒に行こうか。
結婚報告も兼ねてさ。
後輩の食満くん？だっけ、にも」

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