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福岡に到着し、駅前に出る。
流石は福岡、地方とはいえ人は多く建物は高い。
「あ、ホークス！」
「エンデヴァー！」
「隣のあん子誰やろう？」
ビルボードチャート発表の翌日にツートップが並んで歩いていれば目立つだろうとは思ったが、凄まじい人気だ。
何より驚いたのはホークスの手際の良さだ。
「あ、あそこの水炊き美味しいんですよ、鶏の出汁がしっかり出てて。「ヨリトミ」のレバーもクセになります。予約してあるんで食べましょうね」
昼食の話をする間も赤い羽根が右へ左へ上へと縦横無尽に飛び回っている。瞬く間に露出狂を捕まえ、道路の犬を助け、老女の荷物を運んでいる。
意思の元で羽根を一枚一枚操れると聞いているが、目がいくつついているのだろうと不思議なほどだ。
ホークスはファンサービスをしているのと真逆にエンデヴァーは遠巻きに見られている。
やはり敬遠されがちなのだろう。
エンデヴァーの影に隠れるように立っていると、つんつん、と後ろからつつかれた。
振り返ると男の子三兄弟が頭を縦に並べてじっと私を見ていた。
「…何でしょう？」
「お姉しゃんヒーロー？
ヒーローネームなんていうと？」
純真無垢な瞳に思わずたじろぐ。
廻の腕を取り返す目的で協力してるだけだから、ヒーロー…ではないんだけど。
「エージェンシー、です」
「個性どげんやつ？見して見して！」
「いや、見せられるタイプじゃないから…」
子供の顔を引っ叩くわけにはいかない。
手っ取り早く簡単に見せる方法がない個性なのだ。
ふと、一番長兄らしい少年の指に包帯が巻かれていることに気がついた。
「それ、怪我？」
「ん？これ？学校で彫刻刀で切ってしもうた」
「まだ痛い？」
「うん、ばり痛か」
丁度いい。手を出すように言い、人差し指を向けておまじないを口にする。
「ちちんぷいぷい、痛いの痛いの飛んでいけ」
け、でトンと少年の手に指先をおろして個性を発動させる。チクリとした痛みが指に走った。
きょとんとした少年が指を曲げ伸ばしし、目を輝かせた。
「痛うなか！すごか個性やな」
「兄ちゃん、痛うなかと？」
「おまじない効いとー？」
口々に目を輝かせて喜ぶ三兄弟の声に気がついたのか、人が集まってきた。
人に取り囲まれ、何か話しかけられるがほとんど聞き取れず、「ありがとうございます」と言うのがやっとだ。
しばらく子供たちに揉みくちゃにされてから昼食の為ビルに入った。
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乾 巽(プロフ) - 諸行無常さん» すっきりしてもらえて良かったです！テンション上がってて今冷静になりましたw (2020年1月31日 20時) (
レス) id: a83f0b56fb (このIDを非表示/違反報告)
諸行無常(プロフ) - 全然気づいてなかったです！時系列どのあたりなんだろうって気になってたのでスッキリしました！ (2020年1月17日 23時) (レス) id: eaf6a162a2 (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - 澪さん» やったあ！仲間ですね！ (2020年1月17日 23時) (レス) id: a83f0b56fb (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 私も氏子さんのもしかしてと思ってたので仲間がいてうれしいです (2020年1月17日 23時) (レス) id: 75338ea4b0 (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - BT21 さん» ありがとうございます！オバホにどうしても幸せになって欲しくて…！辛さを乗り越えハピエンに辿り着けるよう更新頑張ります！ (2020年1月16日 5時) (レス) id: a83f0b56fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：乾 巽 | 作成日時：2019年12月30日 3時
