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廻の部屋を出て自室に戻ってからも何となく苛ついた気分だった。
いつもならそう苛つくことはないのに。
最近忙しくて寝不足だからだろうか。
「……はぁ」
こういう時は多少体を動かすに限る。
部屋を出て一番最初に目があったトウヤに声をかけた。
「ちょっと組み手付き合ってくれない？」
「……いいけど、今度は手加減しねぇーぜ？
この前蹴りで吹っ飛ばされたけど」
中庭に出て手足首を回し、軽く体をほぐしてから半身に構える。
「どっからでもどうぞ」
「そんじゃあ、遠慮なく」
突きを片手で流して弾き、蹴り上げようとした足を先に叩く。
反対の突きを手首を掴んでそのまま体を捻り込み鳩尾へ後ろ回し蹴りを入れる。
どすん、と思い感触が鳩尾に広がり、砂利の上に落ちた痛みが全身に走った。
「痛た…でも前よりは蹴りの威力上がったかも」
「男吹っ飛ばせりゃ充分だろぉ…つーかいちいち組み手の時まで痛み受け入れなくていいぜ？
俺だって了承して組み手付き合ってんだし」
「そうはいかないわよ」
「A〜、朝飯でやすよ」
縁側で見ていたのかクロノが声をかけた。
「なんだ、見てたの。クロノもやる？」
「そいつは遠慮しときやす」
軽く砂を払って朝食を食べに台所へ行くと、廻が席についていた。
いつもは自分で作ったものしか食べないのに珍しいこともあるものだ、と思ったら今日の朝食当番はクロノだったらしい。
手順を叩き込んであるから安心なのだろう。
「クロノの卵焼き美味しい」
「それはどうも」
だし巻き卵を口に含んでいると、廻が今巷を騒がせている
配下に組み込みたいと接触を試みる心算らしい。
「確か、死柄木弔とかいう…オールマイトを引退させたオールフォーワンとも繋がりが深い。
やめたほうがいいと思うけど」
「へぇ、何でそう思うんでやす？」
クロノに聞かれ、答える。
「誰かの下につくのを嫌がるタイプだと思うよ、ああいうのは。
自分が認めたりしない限り絶対に。
それに雄英生徒の思考を“受け入れた”時に分かったけど、死柄木の個性は「崩壊」。手で触れたものを塵芥に変える。
似たような個性が一つのまとまりに存在することほどバランスの悪いことはない。
デメリットのリスクが大きすぎる」
それにこれ以上、死穢八斎會をヴィランにするのは耐えられない。
「それに、時がくればあっちから接触を図ると思う」
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乾 巽(プロフ) - 燈@トランペットさん» ありがとうございます！うわぁ恥ずかしい…、スペルミスです…。コメント嬉しいです、更新がんばりますね！ (2019年12月17日 19時) (
レス) id: a83f0b56fb (このIDを非表示/違反報告)
燈@トランペット(プロフ) - 突然失礼します！「HAR DATA」の「HAR」のスペルは“彼女の”って意味で使っているのなら「HER」ではないでしょうか。(HARを意図して使っているなら、私の知識不足なのでゴメンナサイ) この小説とっても面白いので更新頑張ってください！応援してます。 (2019年12月17日 19時) (レス) id: bd1442fb11 (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - 刹鬼さん» ありがとうございます！コメント、とても嬉しいのでなんか思うところがあったらバンバン言ってくださると嬉しいです！ (2019年12月14日 8時) (レス) id: a83f0b56fb (このIDを非表示/違反報告)
刹鬼(プロフ) - 初コメ失礼します。面白くて思わずクスッと笑ってしまったり、ドキドキしながら読ませて貰っています。これからも頑張って下さい、応援してます。長文、失礼致しました (2019年12月14日 1時) (携帯から) (レス) id: 363b2bec95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：乾 巽 | 作成日時：2019年12月3日 18時
