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グルッペンにコックとして雇われた初日である今日の午後三時、Aは仕事が一息ついたところで飲み物を片手に食堂の椅子に座っていた。
朝食も昼食も絶賛され安心しながらも、10人前後しかも食べる量が半端ではないものもいるため当然作る量も半端なく、普段は感じない類の疲れを感じていた。
正直言って昼食は戦/争だった。朝はまだ落ち着いていたのだが、覚醒した昼は本当にひどかった。料理や食器に被害はなかったものの、(主に狂犬たちによる)料理の取り合いやら(主に脅威による)押し付けやらが酷かった。美味しく食べてくれればいいのだがいかんせんカフェでの彼らしか見たことがなかったのでちょっと衝撃的だった。
しかし引き受けた以上少なくとも一週間はこの仕事をやり遂げなければならない。さて夕飯は何にしようと考えていると、食堂の扉が開いた。
「Aさんおる?」
ひょこっと顔を出したのは自分のカフェに常連となりつつあった、ふわふわした茶髪で緑の軍服に身を包んだオスマンであった。オスマンはAの姿を確認すると元々浮かべていた笑みをさらに輝かせAの前にある椅子に座った。
『何か御用ですか?オスマンさん』
「いやな、せっかくAさんおるんやったら、三時のスイーツなんか作ってくれへんかなーと思って。」
どう?と首をかしげながら聞いてくるオスマン。
当然カフェで自家製スイーツを出していたから作ることに関しては一切問題はないが、いかんせん今から作ると時間がかかってしまうし夕飯の時間とかぶってしまう。
何とかすぐに出せるものがないかと考えていると、冷蔵庫に入っているものを思いだした。
『ケーキとかみたいにしっかりとしたものではないかもしれないですが、それでもよければお出ししますよ。』
「ほんま?!じゅあお願いするめう〜」
『じゃあ、少しだけ待っててくださいね。』
席から立ち上がって調理場の方へと向かった
------あとがき--------
どうも、マグネシウムです。
今回はオスマンさんとの話です。比較的関わりが多かった人から書いていこうかなぁ、と。
個人的なイメージでは調理場と食堂は隣り合っていて調理場はアイランド型を想像しています。
あと主人公くんにも個人用の部屋はある設定ですがおそらくこの設定がでてくることはないと思います。
季節としては春から夏を想像してください。この後の料理に関係してくるので。
よろしくお願いします。
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タブン優しい鬼さん - 8話オスマンのセリフ。「ほんま?!じゅあお願いするめう〜」←ン?!じゅあ?じゃあじゃないんですか? (2017年5月25日 18時) (レス) id: 2a1f9e77ff (このIDを非表示/違反報告)
ミミック - 夜中に見るんじゃなかった…文章だけでも美味しそうです作者様のペースで、体調がよくて!時間が空いてて!気分が乗ったら!更新頑張ってください笑 (2017年5月17日 1時) (レス) id: 538187bfc9 (このIDを非表示/違反報告)
46猫 - またまたお久しぶりです。更新早速見に来ました(笑)一日に一度は目を通してしまう作品なので更新されていてとても嬉しかったです。これからもあなたのことを応援し続けます。しつこいファンだなと思ってくれたらいいです(笑) (2017年5月6日 14時) (レス) id: 22100487fd (このIDを非表示/違反報告)
マグネシウム(プロフ) - 46猫さん» お久しぶりです!何度も読んでくださってありがとうございます…!更新止まってしまっていて申し訳ないです…ちょこちょこ書いてはいるのでいつかあげます笑国語力に関してはあまり高くはないです。本当に笑応援ありがとうございますこれからもよろしくお願いします! (2017年4月5日 19時) (レス) id: 749a60bb54 (このIDを非表示/違反報告)
46猫 - お久しぶりです。飽きずに何度も読み返してしまっています(笑)メンバー一人一人に合った内容で本当に面白いです…!!マグネシウムさんは国語力が高いのでしょうか?勉強間際の休憩としてまた読みにきます!これからも頑張って下さい(≧∇≦) (2017年4月5日 1時) (レス) id: 90628d5693 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マグネシウム | 作成日時:2016年12月28日 0時