【wrwrd】マスターの一週間【男主】

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口角を上げて笑う。効果音としてはニンマリがぴったりなのだろう。Aはポカン、と口を開けている。こういうのを鳩が豆鉄砲を食らったような顔というんだろうなと呑気に考えていた。

さて、さっさと風呂に入ってしまおうと驚いたままのAを放置して服を脱いでゆく。暗がりにいたため自分ではよくわかっていなかったが緑のパーカーに赤い血が染み込んで黒くなっていた。じゃあついでに少しもみ洗いするかとAの白い服とともに風呂場に投げ入れていく。

その動作でAはようやく動作を取り戻し自分に向かって感謝を述べるとパタパタと足音を鳴らしながら風呂場を出て行った。

それを見届けてから風呂に入る。先に服をお湯につけておこうと桶にお湯をためて服を突っ込んだ。じわじわと少し色味の異なる、だが同じ色と部類されるそれがお湯の中に溶けていた。



ーーーーーー


翌朝の7時半。あくびをしながらも昨日言っておいた要望に胸を躍らせながらいつもよりほんのちょっと遅い朝食を取りに行こうと食堂に足を進める。

食堂の扉を開けるとそこにはまだ大体のメンバーが残っていた。中には(名前はあげないが)まだ船を漕いでいるものや寝坊なのか席にいないものもいる。

取りあえす席に着こうと思い自分が普段から座っている席につく。するとそれを確認したAがすぐに朝食を持ってきてくれた。確認するとやはり普段より多めにもられていることがすぐにわかった。

メニューはスタンダードにスクランブルエッグにマッッシュドポテト、ソーセージに温野菜はさらにこんもりともられている。別に用意されたコーンポタージュはおかわりをもらえるだろう。最後にひとらんらんの畑で採れた小麦粉を使った数種類のパンはバスケットにあふれんばかりに入れられている。そしてその横には三種類のジャム、おそらくマーマーレード、ラスベリー、りんごなのだろう。

あぁ美味しそうだと先ほどの眠気はどこへやら。すぐに食事にありついたゾムは頭の片隅でこんなことを考えていた。


「(昨日の服、一緒に洗ってもうたせいで色移りしちゃったっていつ言おうかなぁ…。)」


ちょっとだけ黄緑色になってしまった服をたまにAが着ることになるのはまた後の話。



------あとがき--------

ゾム編はジャムでした。そこまで食事に視点はあてませんでしたけとこんな話もいいかもしれませんね。
服の色移りにはお気をつけください。

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