検索窓
今日:6 hit、昨日:10 hit、合計:90,787 hit

15. ページ17

12.

その日の夕食の時間は終わり食器の片付けをしていた午後9時。窓の外はすっかり暗くなっており、いわゆる大人の時間になるのだろう。

Aは最後の皿を棚にしまうと次の日のメニューを考え仕込みに入ろうとしていた。そんな彼の背後から人が近づいていて、その肩に手を置こうとした、が。その手はAに取られその背後にいた人物の背中に回されていた。そしてその人物というのが、


「いててててて!!!いたぁい!俺やよAちゃぁん!」

『う、鬱先生!?す、すみません!大丈夫ですか?』


周りからは大先生と呼ばれることの多い鬱先生だった。情けない声をあげていたがAが手を離すと肩をほぐすように揉みこんでいた。

ふと、Aは今日の夕食時の食卓を思い出していた。そういえば目の前の彼は事前にホワイトボード(余談だが例のリクエスト用ホワイトボードにはたまにそれぞれの不在日時が書かれるようになったとか)にいらないと書いていたからいなかったなと。


『今日は夕食はいらなかいと書いてあったので何も用意できていないのですが…。』

「あ、ちゃうねん。夕食は済ましてきたからええねんけど…なぁAちゃん…折り入って頼みたいことがあんねんけど…。」

『は、はい…なんでしょうか…?』


自分なんかが役立てることなんて料理以外なにかあっただろうか。いやないな、とAが考えていると目の前の鬱先生は嬉しそうな顔をしていた。おそらく普段から邪険に扱われることが多いから嬉しいのだろう。そして彼はAの肩をつかみ食い気味に話した。


「あんな、なんか俺がシャレオツな感じになれる料理かなんか教えてくれへん…!?」

『………へ………?』




------あとがき--------

鬱先生編です。ぶっちゃけるとすごい動かしやすくて書いてて楽しかったです(ニッコリ)。

ここまで書いてて場面がほとんど厨房か食堂くらいしかないので今度はすこし場所変えてみたいですね。また厨房に戻りそうですけど。

16.→←14.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (176 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
307人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

タブン優しい鬼さん - 8話オスマンのセリフ。「ほんま?!じゅあお願いするめう〜」←ン?!じゅあ?じゃあじゃないんですか? (2017年5月25日 18時) (レス) id: 2a1f9e77ff (このIDを非表示/違反報告)
ミミック - 夜中に見るんじゃなかった…文章だけでも美味しそうです作者様のペースで、体調がよくて!時間が空いてて!気分が乗ったら!更新頑張ってください笑 (2017年5月17日 1時) (レス) id: 538187bfc9 (このIDを非表示/違反報告)
46猫 - またまたお久しぶりです。更新早速見に来ました(笑)一日に一度は目を通してしまう作品なので更新されていてとても嬉しかったです。これからもあなたのことを応援し続けます。しつこいファンだなと思ってくれたらいいです(笑) (2017年5月6日 14時) (レス) id: 22100487fd (このIDを非表示/違反報告)
マグネシウム(プロフ) - 46猫さん» お久しぶりです!何度も読んでくださってありがとうございます…!更新止まってしまっていて申し訳ないです…ちょこちょこ書いてはいるのでいつかあげます笑国語力に関してはあまり高くはないです。本当に笑応援ありがとうございますこれからもよろしくお願いします! (2017年4月5日 19時) (レス) id: 749a60bb54 (このIDを非表示/違反報告)
46猫 - お久しぶりです。飽きずに何度も読み返してしまっています(笑)メンバー一人一人に合った内容で本当に面白いです…!!マグネシウムさんは国語力が高いのでしょうか?勉強間際の休憩としてまた読みにきます!これからも頑張って下さい(≧∇≦) (2017年4月5日 1時) (レス) id: 90628d5693 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:マグネシウム | 作成日時:2016年12月28日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。