第五話 ページ7
*イアside
「……この戦い、どうやら僕たちの負けの様だね」
ボクがアリア先輩から、目を離した隙に
勝敗は決まっていました。
アリア先輩の胸元へ、銃口を突きつけるリタさん。
アリア先輩はその場へ崩れ落ちました。
ボクたちはアリア先輩のもとへ駆け寄りました。
『アリア先輩、大丈夫ですか……？』
「うん。武器を呼び出す時間さえなかった。
……この勝負、わたしのボロ負けよ」
リタさんを見上げる先輩。
その肩は小刻みに震えています。
その背中はとても小さく感じられました。
「只今の魔法対決は、アリアの降伏により
リタちゃんの勝利です。
試合が終了したため、二人とも武装解除をしてください」
リック先輩が審判モードになって宣言しました。
アリア先輩は身体強化魔法を解き、リタさんは何処からともなく
手にしていた拳銃を消滅させました。
「結果はリックがいった通りよ。正直、完敗だったわ。
……そういえば、試合前、あなたは何かをわたしたちに要求すると言っていたわね？」
「確かにそう言ったわ」
アリア先輩は立ち上がり、衣服に着いた砂を手で払い落しました。
そして、改めて常識破りの少女・リタさんへの方へ向き直りました。
「何かしら？ その要求というのは」
視線がリタさんに集まります。
「……に入れさせて」
「なんて？」
アリア先輩が聞き返しました。
声が小さくて聞き取れなかったからです。
「魔導学園に入学させて！ あたしを！」
リタさんの声は人気のない空き地にシンと響き渡りました。
「……ッ、あたしの両親は二人とも魔法使いとして活躍していたのに、なんで？
……なんであたしは学園に招かれなかったの！？ おかしいじゃないッ！
偉大な魔法少女になってやろうって、世界を救おうって、あんなにも言っていたのによ！」
女の子の瞳には大粒の雫が溢れ出ていました。
「理不尽よ。あたしは魔法を使えるわ。素質だって、魔力量だって、
きっと才能だって普通の魔法使いよりかはあるって自覚しているわ。……けれど、
あたしは招待されなかった。
夢にまで見た学園に、通うことを許されなかった！！」
嗚咽をこぼして語る彼女を慰めることも出来ずにただ見ているのは、痛々しくありました……。
「あたしはやっと、証明することが出来たわ。
あたしは絶対に強い魔法少女になれるわ。夢に見た王立アステール魔導学園へ入学できる。
だって、現役の魔法少女に魔法で勝ったのだから」
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入野MIURIN（みゆりん） - 瑠璃猫さん、初コメありがとうございます！ いえいえ、私の更新ペースは気まぐれですので(^^；)更新、頑張ります！ 感想ありがとうございます(*'▽') (2018年5月24日 0時) (
レス) id: 9bf8fe644d (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃猫 - わぁい！初コメ！あ、新作おめでとうございます！！凄く面白かったです！更新ペース早くてうらやましい……更新、頑張って下さい！ (2018年5月23日 21時) (レス) id: 0fafa6dcb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：入野MIURIN（みゆりん） | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miurin-irino/
作成日時：2018年5月20日 1時
