拾弍話 ページ13
順番はこうだ。童磨→黒死牟→A→猗窩座
そして自分の番が回ってきたとき、Aは進んだ数のマス目に書いてある事を読み上げた。
「仕事に失敗した、500円を失う…」
「あれ、Aちゃんがお金を失うのは今回初めてじゃないかい?」
どこかの貧乏人と比べて、と付け加えたのを耳にした猗窩座は再び怒った。
「童磨お前覚えておけよ」
そうして次は猗窩座の番だ。
彼は双六を転がした。出た数字は六。
六進んだ先のマス目に目をやると猗窩座は目を細めて笑った。
「幸運マス!このマスに止まった人は次の人の金の半分が貰える〜…だな、童磨?」
「猗窩座殿…やられたよ〜」
しょぼしょぼと偽の金を猗窩座へ半分くれてやると童磨は拗ねたように双六を転がした。
「…あ!これはいいマスだ!俺はなんて幸運なんだろうねぇ」
先程の表情とは一変、にまにまとした顔の童磨は不気味だった。
そのマスを見るなり黒死牟はため息をつきそっと童磨に作られた双六用の紙幣を渡した。
「次は…私か」
五、と双六が表した数人形を前に進めた。
「次の順番の人と…祝言をあげ…夫婦になる。結婚祝いに全員から100円がもらえる…」
「えっ」
思わずAは声をあげた。
横に目をやると黒死牟と目が合う。気のせいだろうか、Aの顔は若干赤くなっていた。
(これは双六。黒死牟さんは平気そうだし…)
落ち着いて深呼吸をしたら胸の動悸が少し収まった気がした。
「夫婦になった2人には特別にあるものをあげようねぇ」
じゃじゃ〜んと童磨は懐から双六の道具だろうか、個人に配られた人形がちょうど乗りそうな小さな車が配られた。
「これは…なんだ…」
「これに2人の人形を乗せてねぇ。夫婦のマスに当たった人は今後一緒に進むから双六をは2人で一回、お金も2人で合わせて使うことになるよ」
「なるほど…!黒死牟さんちょっと借りるね」
童磨から受け取った車に2人の人形を乗せたAは嬉しそうだった。
黒死牟と夫婦になったことによってAの順番は飛ばされ、次は猗窩座の番になった。
「一、ニ、三…転んじゃった、治療費に70円なくなった。…童磨」
「なんだい?」
「先程からおかしい。俺のマス目は必ずと言って良いほど金がなくなる、お前何か仕組んでるのか?」
「冤罪だよ猗窩座殿〜!猗窩座殿の運が悪いだけだからね…可哀想に、俺のお金を分けてやりたいぜ」
そう言い泣くふりをした童磨に猗窩座は呆れて舌打ちをした。
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ひなどり。(プロフ) - まゆゆさん» まゆゆさんコメントありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです!!!! (2021年6月7日 12時) (レス) id: 92e267931c (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆ(プロフ) - 黒死牟最高!!巌勝の姿超イケメン!!その黒死牟がぁぁぁ更に男らしく格好良い!!このお話好きだぁぁぁぁ!! (2021年5月21日 1時) (レス) id: b7969430ca (このIDを非表示/違反報告)
ひなどり。(プロフ) - 元気なオタクさん» うわああありがとうございます!!嬉しいです、黒死牟さん良いですよね!ありがとうございます! (2021年4月26日 9時) (レス) id: 92e267931c (このIDを非表示/違反報告)
元気なオタク(プロフ) - とっっっても面白いです!つい最新話まで読破してしましました・・・!私が書いている小説も、黒死牟さんメインなので、ここまで本人の再現度が高いひなどり。さん本当尊敬します!台本書きの夢小説、初めて見たので驚きました!更新頑張ってくださいね!応援します! (2021年4月25日 12時) (レス) id: ed77530e67 (このIDを非表示/違反報告)
ひなどり。(プロフ) - 紅ショウガ@ジャスタウェイ狂さん» 紅ショウガさんコメントありがとうございます!ワクワクしていただけるなんて嬉しい限りです!更新頻度増やせるように頑張ります!! (2021年3月18日 15時) (レス) id: 5e19aa7d03 (このIDを非表示/違反報告)
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