23 ページ30
◇
期末テストが終了したその日。
Aは久しぶりにオクタヴィネル寮へ繋がる鏡に飛び込み、モストロ・ラウンジの扉を開いていた。
久しぶりのアルバイト、休んで迷惑をかけた分頑張ろう。Aは笑顔で中へ入り挨拶をした。いや、しようとしたが、店内で起きていた出来事に言葉が出ない。
何故ならば
「待ってくれ、もう1度チャンスを……ぎゃあああ！！！！」
扉を開けたAが見たのは……フロイドに絞め上げられ、生徒が叫びながら気を失う瞬間だった。
見てはいけないものを見てしまったAは、気づかれていない内にそっと扉を閉めようとする。
「ふぅ。まったく、どいつもこいつも支払いを踏み倒すろくでなしばかりだ。買ったら払う、借りたら返す。当然のことですよ。ねえ、Aさん？」
『っ！！』
「あ〜、Aだぁ」
名前を呼ばれてビクッと身体が跳ねた。どうやら気付かれていたようだ。
ドアに隠れたままのAに、生徒を放り投げたフロイドが抱きついた。
『えっと、お邪魔でしたらまた後で来ます』
「邪魔なんてとんでもない。よく来てくれましたねAさん」
「そんなところにいないでこちらへどうぞ」
「ほら、こっちこっち」
フロイドに腕を引かれてアズールとジェイドの座るソファーへAも座る。
「本日からまたよろしくお願いしますね」
『ご迷惑をおかけしてすみませんでした。また頑張ります！』
「やる気があってよろしいですね。ところでAさん。あなたの恋人はたしか……同じクラスのエース・トラッポラさんでしたね」
『はい、エースとは付き合っています』
アズールの口からエースの名前が出たことをAは不思議に思いながら頷く。
それを聞いたフロイドはAの肩に腕を回したままぐっと距離を近づける。
「えー、Aってカニちゃんの番なの？ ねぇ、オレにしなよ」
「フロイド、アズールの話の途中ですよ」
「はぁ〜い」
ジェイドに話の邪魔をするな、と怒られたフロイドは大人しくAの髪を結んで遊び始めた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 214人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ここ(プロフ) - 星猫さん» 星猫さんの謝罪、受け取りました。 (2021年4月17日 13時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - ここさん» 私の自業自得で貴方にも迷惑させて、誠に申し訳ありません。頑張って下さいね。 (2021年4月17日 9時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
とんどん - ここさん» 遅れてすみません、、いえ、伝わりました！ありがとうございます、！ (2021年4月7日 22時) (レス) id: 52e7dcc672 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - どんとんさん» CSSを配布されている方のページに分かりやすい説明も載っているのでそちらも参考にされてみてくださいね^ ^私の説明は分かりづらいと評判でして(^_^;) (2021年4月6日 22時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
どんとん - ここさん» ありがとうございます、！やってみます、、！ (2021年4月6日 22時) (レス) id: 521a74f5be (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ここ
| 作成日時：2020年11月26日 9時
