ハッピービーンズデー10 ページ36
◇
不敵に笑うアズールにAは豆をいつでも撃てるよう照準を合わせる。
今、引き金を引いたとして、避けられてしまえばすぐさま捕縛網を投げられ捕まってしまう可能性が高い。
自分の勝手な判断でリドルとデュースを巻き込むわけにはいかない。
引き金に指を添えるAの額にじんわりと汗が滲んだ。
「キミ……まさかルール違反をしたわけじゃないだろうね？ その装備、どうやって揃えたのか、説明してもらうよ、アズール！！」
「ふふふ……ハハハハ！ いいでしょう！ リドルさんには特別に教えて差し上げます」
「ごくり……」
緊張感漂う中、デュースの息を飲む音がやけに大きく聞こえた。
「そう……あれは今から遡ること1年前……」
「「『1年前！？』」」
「思ったより話のスケールがでかい……！」
1年前、と驚くAたちを気にすることなくアズールは語り始めた。
アズールがまだ1年生だった頃、彼は例外なくハッピービーンズデーに参加していた。
だが、事前の準備も何も出来ていないアズールは、開始直後に怪物チームに捕まってしまい、ハッピービーンズデーが終わるまでバルガスによる地獄の筋トレを命じられていたそうだ。
そして、彼は筋肉痛で痛む身体で誓った。
来年こそは必ず生き残ってやる、と。
そのために必要なものは体力でもない、それは装備……フィールドスキャナーを手に入れることが勝利への鍵。
それからというもの、アズールはハッピービーンズデー経験者から情報を集め、補給箱の中身や配置を詳しく知っているのがハッピービーンズデー運営委員の10人だという情報を入手する。
そして、運営委員10人をモストロ・ラウンジに呼び出すと彼らの悩みを聞き出し、真摯に悩みを解決し、情報を聞き出した。
「つまり、委員会メンバーの弱みを握って情報を引き出したんだな」
「1年も前からハッピービーンズデーのためにコツコツと準備を……！？ そんなの……そんなのおかしいだろ…………1年も時間をかけるぐらいなら、普通に体力育成の授業を頑張ればいいじゃないか！」
「運動神経のいいヤツに僕の気持ちがわかってたまるかッ！！」
『っ！』
デュースの言葉に反応したアズールは声を張り上げてデュースを睨みつける。
普段冷静で声を荒げることのない彼の突然の大声にAはビクッと身体を跳ねさせた。
▶
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1481人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
時間の止まったリス - バルキャンの妖精の男の子のイメージに何故か鏡◯レ◯くんが浮かんじゃいました(当時のリスがプ◯セカにハマっていたことからです) (2022年3月23日 9時) (
レス) @page3 id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 夢桜さん» 反応集ですか！それは読むのが楽しみです^ ^頑張ってください♪ (2021年8月4日 13時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - ありがとうございます！呼んでみてくださいね！ツ○ステの反応集？も作ってみたので、そちらもみてください！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: f6c4d55ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 夢桜さん» 鬼○のお話を書かれているんですね！鬼○は私も大好きなので是非読ませていただきます(*^_^*) (2021年8月3日 17時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - はい！私の無理のないペースで頑張っていこうと思います！今、鬼○の刃の夢小説をかいているので、読んでみてください！ (2021年8月3日 13時) (レス) id: f6c4d55ff1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ここ
| 作成日時：2021年6月19日 21時
