出会い ◇リーチ兄弟◇ ページ34
◇
『これで、大丈夫かな。あとは…』
「いてっ、なにすんだよ」
『ごめん、少しだけ我慢してね』
「…………」
怪我をしている部分に手を当てて回復魔法を使うと、優しい緑色の光が包み少年の怪我が治っていく。
手当てをされている間、少年はAのことをじっと見ていた。
変なことをしたら絞めあげてやろうと思っていたが、この少女は必死に自分を助けようとしている。
悪い人間ではないのかもしれない、そう思っていた。
『うん、これでいいかな』
「オレを助けてどうすんだよ。どっかで飼う気？」
『ふふ、きみみたいな大きな人魚が入る水槽、うちにはないよ』
「………変な人間」
『それは褒め言葉なのかな？私、人魚見たの初めてだったから会えて嬉しかったよ。気をつけて帰ってね』
少年のそばを離れようと立ち上がりがかけたAの手を少年が掴む。
「オレ、お礼してないんだけど」
『お礼なんていいよ……きゃあっ』
少年の手を放そうとまた座り込むAの身体に少年の腕が巻きつき、驚くAに少年はニヤリと歯を見せて笑う。
勢いよくヒレを地面に叩きつけてその反動で大きく飛び上がった。
Aの被っていた麦わら帽子がまたふわりと飛んでいった。
少年に捕まったまま宙を飛ぶAは突然のことに少年へしがみつく。
もうすぐそこは海だ。
ばしゃーん！！
大きな水音を立てて少年とAは海に飛び込んだ。
息が出来なくなり慌てるAの両頬を少年が掴み、顔を近付けると少年の唇がAの唇と重なった。
『っ！？』
「助けてくれたお礼」
『あ、れ……？苦しくない………？』
少年の唇が離れると、先程は苦しかったはずなのに苦しくない。
不思議と水の中で息が出来ているようだ。
「これはねぇ【祝福の口付け】っていって、人魚が人間にキスをすると水の中でも息が出来るようになるんだよ」
『そうなんだ…すごいね』
「人間となんて気持ち悪いから絶対しないと思ってたけど、あんたは別。ほら、こっちおいでよ」
『どこ行くの？』
「とっておきの場所」
少年に手を引かれて海の中を泳ぐ。
普段見ることのできない海の世界に大喜びなAを見て少年は満足そうに笑った。
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ここ(プロフ) - いろはさん» いろはさんコメントありがとうございます！はまってもらえて嬉しいです！これからも楽しんでもらえるよう頑張りますね♪ (2020年9月30日 22時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
いろは - めっちゃはまりました!!!頑張ってください!) (2020年9月30日 18時) (レス) id: cd5f27ba6c (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - ゆゆさん» ゆゆさんコメントありがとうございます(*^^*)ガキッポラ書いちゃいました〜 (2020年9月28日 19時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - エース・ガキ・トラッポラ尊いです (2020年9月28日 17時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ここ
| 作成日時：2020年9月28日 16時
