出会い ◇カリム◇ ページ27
◇
揺れが止まると突然地面に下ろされる。
乱暴に下されたせいでお尻が痛い。
どこかの部屋の中だろうか、扉が開く音がして足音が聞こえてくる。
被せられていた袋を急に取られて目の前が明るくなる。
私の目の前には、下衆な笑みを浮かべた男が三人いた。
「こいつは上玉じゃねぇか。良いとこの貴族のお嬢様に違いねぇな！」
「身代金がっぽりいただいちまいましょうぜ！」
「払わなかったら売り飛ばせば良い値で売れるに違いねえ」
『っ……』
男たちの下衆な笑い声に背筋が寒くなる。
私は一般人で、身代金なんてそんなお金…いやお母さん達ならあるかもしれない。
でもお母さん達が稼いだお金をこんな男達に渡したくない。
「俺はこいつらの親に脅迫状を届けてくる。お前は例の商人に話つけてこい」
「へへっ、もし親が身代金払わなかったら俺が可愛がってやってもいいんだぜ？」
「馬鹿言ってんな。お前は外の見張りだ、さっさとしろ」
「「へい」」
リーダー格の男に着いて男達が外に出て行く。
静かになる室内。
どうやらここは倉庫か物置みたい。
隣を見ると先程男達に捕まっていた男の子が転がっていた。
気絶させられたのか意識はない。
魔法で縛られていた手足のロープを切って男の子を揺さぶる。
『ねえ！きみ、起きて！』
「う……うぅん………ん……？」
『よかった、目が覚めたんだね』
「ここ、どこだ？」
『ここは…どこかの倉庫かな。私たち攫われちゃったみたい』
「誘 拐！？また……か」
『また…？』
「オレっ、もうこんなのいやだ…！」
突然泣き出す男の子。
この子はまた、と言っていた。
お金持ちの子供もいうことで、これまで何度もこんなことがあったのかもしれない。
男の子のこれまでを思うと胸が痛い。
泣きじゃくる男の子を抱きしめて落ち着くように背中を優しく撫でる。
『だいじょうぶ、もうだいじょうぶだよ』
「ううっ…ぐすっ……おまえ、名前は？」
『私はA。あなたは？』
「オレはカリム、Aありがとなっ」
まだ涙を浮かべたまま太陽のようににかっと笑うカリム。
素敵な笑顔に私も釣られて笑顔になった。
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ここ(プロフ) - いろはさん» いろはさんコメントありがとうございます！はまってもらえて嬉しいです！これからも楽しんでもらえるよう頑張りますね♪ (2020年9月30日 22時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
いろは - めっちゃはまりました!!!頑張ってください!) (2020年9月30日 18時) (レス) id: cd5f27ba6c (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - ゆゆさん» ゆゆさんコメントありがとうございます(*^^*)ガキッポラ書いちゃいました〜 (2020年9月28日 19時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - エース・ガキ・トラッポラ尊いです (2020年9月28日 17時) (レス) id: 861ee0d781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ここ
| 作成日時：2020年9月28日 16時
