◇ ページ19
◇
「とほほ、オレたちフラれちゃった」
「Aのことが大好きみたいだな」
「ボクが抱こうものなら氷の粒を飛ばしてきてね、物凄くはっきりとした拒否反応だったよ」
『怖かったのかな？ 大丈夫だよ、このお兄ちゃんたちはみんな優しい人たちだからね』
Aが優しく言いながら背中をトントン、と一定のリズムで叩いていると赤ん坊は目を閉じて眠り始めた。
「お、寝たみたいだな」
『泣き疲れて寝ちゃったんですね』
「おや、タイミングが悪かったですかね」
「「「学園長！？」」」
『っ！！』
いきなり部屋に現れた学園長に思わず声をあげそうになったが、赤ん坊を起こしてはいけない。Aはなんとか耐えていた。
「学園長、ろくな説明もなしにボクに預けたこの子はなんなんですか」
「その赤ん坊は私の知人の子です。……とても可哀想な子でして。その子には兄がいるのですが、母親は兄ばかりを溺愛し、兄より魔力に優れたこの子に嫉妬し蔑ろにしていたそうです。ローズハートくんと出会う前にいきなりこの子が私の元に送られてきましてね。私、優しいのでこの子を引き取ってくれる方を探していたんですよ」
『そう、だったんですね……』
Aは学園長の話を聞いて胸が締めつけられた。
こんなにも可愛らしい子を蔑ろにするなんて、この子だってこんなに小さくても生きているのに。
リドルたちに懐かない理由はもしかしたら、家族である兄が影響しているのかもしれない。
ぽた、っと赤ん坊の頬にAの瞳をから溢れた涙が落ちる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 477人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ここ(プロフ) - 監督生さん» 監督生さん、いつも嬉しいお言葉をありがとうございますっ。連載当初から書き方を何度か変更したり、と工夫をしていたのでそう言っていただけると嬉しいです。それぞれの物語に入り込んで書いているので、思い入れの強いものは特に感情が強いかもしれません^ ^ (2021年6月30日 17時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
監督生 - やっぱり読みやすいしあとは、ものすごくスートリーによって感情が違う (2021年6月30日 16時) (レス) id: c9903e0c6f (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 月祈さん» 月祈さんユウくんを好きと言ってくださりありがとうございます^_^現在リクエストはお受けしていないのですが、ちょうど次に更新するお話がユウくん落ちになる予定のお話となっておりますので、そちらを読んでいただけますと嬉しいです^_^ (2021年3月18日 10時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
月祈 - 僕監督生（ユウくんが好きなんですけど、監督生オチの話が欲しいです！！ (2021年3月18日 1時) (レス) id: 0d2fd88c3c (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 海月くらげさん» こんな感じの学園長先生になりました〜^_^確かに！今時20歳くらい離れてても珍しくないですよね！……もしカラ…学園長が100歳とかだったら犯罪レベルですが（笑）生徒先生方に焼き鳥として美味しく頂いてもらいましょう。ちなみに焼き鳥の部位だとももが好きです。 (2021年3月10日 22時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ここ
| 作成日時：2021年2月22日 17時
