◇ ページ17
◇
『リドル先輩、この赤ちゃんは……』
「ボクも事情はよく知らないんだけど、先程廊下を歩いているといきなり学園長に預けられてね。このことは内密ですよ、とだけ言って去って行ったんだ」
『えっと……お疲れ様です』
「ありがとう……」
Aは学園長の何かに巻き込まれたリドルに同情しつつ赤ん坊を見つめる。
するとずっと不機嫌に泣いていた赤ん坊がAへ手を伸ばした。
『抱っこしてほしいの？』
「あー」
『ふふっ、いいよ』
Aは優しく抱き上げると横抱きにして微笑む。
赤ん坊は嬉しそうに笑いながら小さな手でAの頬を触っていた。
「Aに来てもらって正解だったようだね。ボクがあやしても泣いてばかりで困っていたんだ」
『そうだったんですね。あなたもお兄ちゃんを困らせたらダメだよ？』
「あーう」
Aの言っていることが理解できるのか赤ん坊は返事をしていた。
リドルは赤ん坊との悪戦苦闘の末に乱れた服や髪を直しながら疲労のあまりベッドに座り込んだ。
『リドル先輩、お部屋の様子がいつもと違うみたいですが』
「ああ、この子はどうやら氷の魔法が使えるようだね。泣く度に魔法が発動してボクの部屋を氷漬けにしてしまったんだよ」
『あなた氷の魔法が使えるんだね、すごいね』
Aが赤ん坊にそう言えば赤ん坊は嬉しそうに笑っていた。
その様子を微笑ましそうに見つめながらリドルが杖を振れば部屋は元通りになり、部屋の中は一気に暖かさを取り戻す。
Aもリドルの横に腰を落として2人で赤ん坊を見つめる。
「こうして笑っているととても可愛らしいね」
『ふふっ、そうですね。ブロンドの髪と青い瞳……あなたは将来とても綺麗な子になるよ』
「あーいっ」
Aの指を掴んで声を上げる赤ん坊と、微笑むAを見てリドルは、自分とAの子どもが出来てもこうして愛情を注いでくれるのだろうと想像する。
「……はっ、ぼ、ボクは何を考えているんだ……っ」
『リドル先輩？』
髪の色に負けないくらいに頬を赤く染めて顔を横に振り始めるリドルにAと赤ん坊は不思議そうに首を傾げた。
2人が穏やかに赤ん坊を見つめていると突然コンコン、と扉をノックする音が聞こえてきた。
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ここ(プロフ) - 監督生さん» 監督生さん、いつも嬉しいお言葉をありがとうございますっ。連載当初から書き方を何度か変更したり、と工夫をしていたのでそう言っていただけると嬉しいです。それぞれの物語に入り込んで書いているので、思い入れの強いものは特に感情が強いかもしれません^ ^ (2021年6月30日 17時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
監督生 - やっぱり読みやすいしあとは、ものすごくスートリーによって感情が違う (2021年6月30日 16時) (レス) id: c9903e0c6f (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 月祈さん» 月祈さんユウくんを好きと言ってくださりありがとうございます^_^現在リクエストはお受けしていないのですが、ちょうど次に更新するお話がユウくん落ちになる予定のお話となっておりますので、そちらを読んでいただけますと嬉しいです^_^ (2021年3月18日 10時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
月祈 - 僕監督生（ユウくんが好きなんですけど、監督生オチの話が欲しいです！！ (2021年3月18日 1時) (レス) id: 0d2fd88c3c (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 海月くらげさん» こんな感じの学園長先生になりました〜^_^確かに！今時20歳くらい離れてても珍しくないですよね！……もしカラ…学園長が100歳とかだったら犯罪レベルですが（笑）生徒先生方に焼き鳥として美味しく頂いてもらいましょう。ちなみに焼き鳥の部位だとももが好きです。 (2021年3月10日 22時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ここ
| 作成日時：2021年2月22日 17時
