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終:空が曇る時に ページ30

気だるい眠気がこびりついている。
目を覚ます。

「あー…首寝違えた…」

長い夢を見ていたようだ。
誰かの声が反響している。

「もう9時…寝すぎたな…」

天気は曇り。
2月の中旬は少し肌寒かった。

カーテンの隙間から、淡い光が射し込んでくる。

「うわ、腕も攣ってら…」

忘れたいけど、忘れたくない夢。
結局、どんな夢だったのかは忘れてしまった。

「…あぁ、セイル、おはよう」
「………おはよう、きつね」

セイルがベッドの近くで座っていた。
眼光は若干険しかった。

いつの間にか握っていた拳に、違和感があった。

「なんだこれ、凍ってる鍵?冷たっ」
「きつね、ごはん。はやくきて。」

暖かく、冷たいものが心に流れてくる。
今日は少し寒いな。けれど湿気も多い。

鍵を見る。握っていると安心する。冷たいけれど…
角度を変えると七芒のような虹彩に輝く。

「何かを忘れているような…」

誰かに救われた

そんな感覚。

昨日読んだ本に影響されたのだろうか。
今の空の色と似ている、青く霞んだ鍵。

「なぁセイル、オレって昨日何してた?」



「...ちゃん...!兄ちゃん...!」

俺はその声に反応した...。

「ん...?あぁ、春...。おはよう...。」

俺は欠伸をしながら、春の頭をポンポンした。

「そんなことより!今何時だと思ってんの!」

春は焦ったように俺に話す...。

「ん?今9時だけど?それがどうか...っあ。...ねぇ、今日って...。」

俺は青ざめながら、春に聞いた...。

「今日は9時からみんなで会議するって言ったじゃん!ほら、行くよ兄ちゃん!」

春はズカズカと走っていってしまった...。

「待って!俺も行く!」

俺も追いかけようとしたその時...。何か握っているのに気づいた...。狐の形をした夕焼けのように(だいだい)色をした鍵を持っていた...。

「ん?ナニコレ?」

何かの鍵だろうか...?握っていると安心する...。ん?鍵...?なんか忘れているような〜?

誰かと冒険した...?

そんな気がした...。

「兄ちゃんー!早くしないと、甘夏さんが怖いぞー!」

春の声がした...。やべぇ!甘夏に怒られるのだけは勘弁だ...!

「おん!今行く!」

俺は鍵を握りしめ、春と一緒に寮に帰った...。

天気は先ほどまで曇っていたが、空から光が差し込んできた...。

あとがき→←25:動かない...。



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mofu megane(プロフ) - 桜道 あすかさん» ありがとうございます!励みになります...! (2021年12月30日 23時) (レス) @page4 id: 950de74267 (このIDを非表示/違反報告)
桜道 あすか - 面白そうですね。更新待っております。 (2021年11月23日 12時) (レス) id: 47dc307598 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mofumegane&黒獅子凍 | 作者ホームページ:youtube.com/channel/UC-31h_OvshlXRHaXmKewceQ  
作成日時:2021年11月22日 22時

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