24:2つ目の鍵 ページ28
「忘れられることが、君の友達にとってどれだけ恐ろしいことか…理解してくれよ!!…君は昔の努力ですら、忘れたままでいいのか?
チャンス?今この時がチャンスなんだよ!…だからいいんだ、心配するな。」
一刻も早く、いつもの凍さんと会いたかった。
僕は声を振り絞りながら彼に叫ぶ。
「…でも!出来るかどうか分からないじゃないか!!こんな意味不明な場所…、
そんな博打するよりも、ここから出た方が君にとって良いだろ!!」
そんな訳、ないだろう。
「自分勝手かもしれないが__僕は忘れられることが嫌いらしい。君の記憶を取り戻せるなら、こんな鍵…安いもんだよ」
彼に笑いかけてみる。
「なぁ、通達人…早くしてくれ」
「…いいのですか?」
「早く」
突如鍵が砕け散ったかと思うと、凍さんの周りにぶわっと風が巻き起こった。
ふっと肩が落ち、凍さんの目は若干柔らかくなる。
「…………思い出せる…みかんさん」
「…!!良かった……良かった!」
こんな箱、必要無い。足元にあった箱を、安心したのか大きく蹴った。
「安堵しているところ悪いのですが、…もう鍵を手に入れるチャンスはありませんよ?」
「…は?嘘だろ?」
「…」
罠に掛かったとでも言うように嗤う白髪。
「あぁいえ、この箱を狐の彼が開けたら鍵は手に入れられます。まぁ、さっきの二の舞いになるだけですが。」
「…いや、いいよ」
僕は凍さんの方へ振り向く。
「
「……何、言ってんだ」
✥
急にこちらを振り向いたかと思うと、みかんさんは自分の首に鎌を当てた。
「言ったろ。僕が鍵だって、君が。」
そんなの…
「そんなの、ただの憶測に過ぎないだろ…!間に受けるなよ!なぁ!!
…一緒に出るって、何度も」
彼の手は震えていた。鎌が重いのか、それとも違うのか。
「僕にはもう、扉を壊せるくらいの力が無い。凍さんだってそうだろ」
__止めないと
「ここは
ぷつりと皮膚が裂ける。
「…待てよ…!自分だけ逃げるなんて許さない!!そうだろ!?」
俺は彼の腕を掴む。
しかし、今までに無い強い力で薙がれる。
「良いんだよ、僕は許されない存在だから
…本当は君に__して貰いたかったけど、無理そうだし…」
「そ、そうだ、みかんさん…!みかんさんの試練はまだクリアしてないんだろ!そこに鍵があるはず___」
鮮血が舞った。
__扉が開いた。
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mofu megane(プロフ) - 桜道 あすかさん» ありがとうございます!励みになります...! (2021年12月30日 23時) (レス) @page4 id: 950de74267 (このIDを非表示/違反報告)
桜道 あすか - 面白そうですね。更新待っております。 (2021年11月23日 12時) (レス) id: 47dc307598 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mofumegane&黒獅子凍 | 作者ホームページ:youtube.com/channel/UC-31h_OvshlXRHaXmKewceQ
作成日時:2021年11月22日 22時