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「_壊せば良いじゃないか」
20:手から零れ落ちる氷 ページ24
ひとつなにかを失った気がした。
気が付くと、スカイ以外の生徒達は消えていた。
消えていた、というよりも__眠るように倒れ、僕を囲んでいた。
「…まさか、仲間を全員消すなんて」
「もう、あきた。はやく…凍さんのところへいかせろ」
「本当に行くの?鍵すら無いのに。」
鍵が無いなら
「…まさか、仲間を全員消すなんて」
「もう、あきた。はやく…凍さんのところへいかせろ」
「本当に行くの?鍵すら無いのに。」
鍵が無いなら
「_壊せば良いじゃないか」
「…え?何を…」
天井を見る。最後の響素を使って天を穿つ。
天井を見る。最後の響素を使って天を穿つ。
動かない腕を無理やり天井へ持ち上げ、凍さんの空間と繋げようとする。
「......本当に、どうしようもないね」
「こんなケガ、昔に何度も味わった…でもまあ、慣れないな」
開いた天井から凍さんがこちらを向く。
「…気づかれちゃった、かぁ…」
何か言い終わる前に、スカイを薙いで凍さんのほうへ飛び込むようにして行く。
しかし___違和感があった。
「この部屋…こんなに箱が。何なんだ、凍さんの試練は…?」
ただ凍さんは首を傾げ、
「あっ、人がいた。ここってどこなんですかね?」と。
__どういうことだ
巨大な焦燥感と一分の怒りが巻き起こる。
「うーん…ケガ、大丈夫そうですか…?」
「凍さん…?なあ、どうしたんだ?また術者に何かかけられたのか?」
次第に怒りが悲しみへと変わっていく。
術者であろうものは見当たらない。この箱たちに仕掛けが…?
「俺の名前を知ってるんですね。そんなに有名だったっけか…いや、俺に異常は無いですよ」
あまりにも凍さんは冷静だ。あの始まりと同じくらい…。
「お、い…いったい…な、なにが…凍さんは…僕のことを忘れたのか?」
声が震える。焦燥感か、はたまた違う何かか。
眼光で訴えかけるも、凍さんは未だ疑問符を浮かべるばかりだった。
「ごめんなさい、覚えてないっすね…」
記憶喪失?凍さんは箱を開けただけだろう。なのに何故?
手から水がとめどなく零れていくようだ。
胸の痛みは苦しさに変わっていた。
「試練の通達人がいるはずだ、聞き出さないと…」
「それよりも!そのケガ、少し止血しましょうや。見てるだけで痛い」
凍さんに肩をつかまれる。いつもとまるで違う目をしている彼は、全くの他人に見えた。
氷を出して処置をしてもらう。このやさしさは変わらないんだな…。
生徒達を倒してしまったときよりも、喪失感が押し寄せる。
僕は何もできないままなのか。
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mofu megane(プロフ) - 桜道 あすかさん» ありがとうございます!励みになります...! (2021年12月30日 23時) (レス) @page4 id: 950de74267 (このIDを非表示/違反報告)
桜道 あすか - 面白そうですね。更新待っております。 (2021年11月23日 12時) (レス) id: 47dc307598 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mofumegane&黒獅子凍 | 作者ホームページ:youtube.com/channel/UC-31h_OvshlXRHaXmKewceQ
作成日時:2021年11月22日 22時