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19-1:裏返した光 ページ20

※みかんside

「あなたは仲間の一人も思い浮かばないの?」

思い浮かべる…。自発的に出てくるものじゃないのか。

「…セイル」

その子は、僕の娘のような存在だ。仲間…とも、言えるだろう。
そう思い起こした瞬間、背後に誰かの気配がした。
サファイヤのような青い瞳と、トラストと同じ紅い髪の色。
頭には、猫耳のような補聴器を付けている彼女。

振り返ると、セイル本人がいた。

俺はふと、何を思ったのか

「セイル、ここは危ない__」

と。そう言った直後、僕めがけて鋭い氷柱が飛んできた。

「…え?!凍さん…いないから違う…セイル」

凍さんの氷に慣れていた僕は、一瞬油断してしまった。
にしてもなぜ、仲間だというのに攻撃を?

_いつの間にか、天井に空が見えていた。


「始めようか、鍵探し」


そうスカイが宣告すると同時に、僕の周りを"生徒"達が現れ、円を描いて囲む。
"生徒"というのは、僕がかつて指導していた響素学の研究者だ。_通称、蕾の所持者。

「お前ら…」

一人、一歩前に出る。

「先生は、こんなときですら自分勝手っすね」
「…は?急に何を…」

そうして彼__黒曜石のように黒い瞳と髪を持つ男…シラホスカが、僕の手足を鎖で縛った。
まだ響素が使えない、振りほどけない…あの時確認しておけば良かった。

はずっと、正しい選択をしてきたのに。先生は人を傷つける選択ばかりですね」

また一人、一歩進む。
彼女は薄桃色の髪と薄紫の瞳を持った、眼鏡をかけた少女_杏奈だ。
彼__凍さんか?
そう言われた直後、渦に飲み込まれる最中の胸の痛みが再発した。

「離してくれ」

まるで拷問だ。仲間とは…?
痛みに思わず天を仰ぐと、日差しが異様に眩しかった。

更に一人、一歩出る。

「どちらか差ざめないといけないんだ、先生たちにその意志が見えない」
「さざ、める…って、なんだよ」

狸の耳尾に緑の髪と瞳…クハーネ゙が、第二試練の時に聞いた言葉を繰り返す。

__もう苦しいのは嫌なのに。

19-2:衰退する思い出→←18:第7の試練_偽りの記憶と迷いありの獅子



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mofu megane(プロフ) - 桜道 あすかさん» ありがとうございます!励みになります...! (2021年12月30日 23時) (レス) @page4 id: 950de74267 (このIDを非表示/違反報告)
桜道 あすか - 面白そうですね。更新待っております。 (2021年11月23日 12時) (レス) id: 47dc307598 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mofumegane&黒獅子凍 | 作者ホームページ:youtube.com/channel/UC-31h_OvshlXRHaXmKewceQ  
作成日時:2021年11月22日 22時

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