11:その先の崩壊 by mofumegane ページ12
※一人称みかん視点
「ただでさえ精神が参っているのに、こんな…」
扉を塞ぐようにしてしゃがんでいる凍さん。
未だに謝罪を連呼している彼を見て、灯火は満足そうに嗤っている。
「……」
普段と全く違う凍さんに、酷く恐怖を感じてしまった。
「さあ、どうするんだ…?こいつは時間経過でどんどん狂って行くけど…」
魔術、魔法…かなり嫌いなジャンルだ。
この魔術も、響素(魔法と同義)で中和出来るのだろうか。
僕は凍さんに向かって手を伸ばす。
当たり前に警戒しているから、すぐに弾かれるけども。
闘争本能まで刺激されたら勝てんぞ…えっどうしよ…
「ま、俺がこいつを操ってるだけだけどな…」
典型的な例で言えば、操り主を倒せば術は解除されるだろう。
しかし、灯火と凍さんの繋がれているであろう魔術の痕跡が見えない。
そうやって目を凝らしていると、ふと凍さんが起き上がった。
溜まっていた負の塊が一気に放出されたのだろうか。彼の目は明らかに___もはや瞳の色すら濁っていた。
「あぁぁあぁっ!!!」
「凍さん…!」
悲痛な叫びが辺りに響く。
早く…早く解放しないと、でもどうやって…?
「響素式__ビルド…波長干渉…」
操られているのなら、こっちが主導権を握ってしまおうか。
しかし、弱く編んだ響素はまたしても弾かれてしまう。
「…いや待て、凍さんは何を怖がっているんだ…?今じゃない……過去?」
”過去”
という言葉に反応したのだろうか。
「っ…!」
彼は酷く怯え、後ろに引いた。
…これは、精神攻撃。そんな有効な打開策は無い。だから…話を聞けたら……
そう思ったのも束の間、凍さんがこちらに拳を向けてきた。
「”水”をぶっかけて話を…ッ」
あまり動体視力が良くない俺だが、やはり凍さんの素早い動きに追いつけなかった。
肩に拳がもろに当たる。
「うぐ……こんなに強いなら、凍さんは__」
怯んだところから一気に畳みかけてくる凍さん。
一抹の期待と焦りを感じながら…
「なあ、そんなになってるってことは、何か昔にあったんだろ…?僕は凍さんのことをあまり知らない。これが正解じゃないかもだが…言いにくいかもしれないが…凍さん。過去に何があったんだ?」
かろうじて攻撃を避けながら、”水”をかけてみる。ただ、そろそろ体力が限界だ…。
一気に力が抜けた体に、何発もの拳が当たる。
満身創痍で彼を見据える。どうか、話してくれ…。
やがて凍さんは満足したのか、自分の過去を淡々と語り出した。
12:黒獅子の過去 by黒獅子凍→←10:蜒輔r蜉ゥ縺代※ by黒獅子凍
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mofu megane(プロフ) - 桜道 あすかさん» ありがとうございます!励みになります...! (2021年12月30日 23時) (レス) @page4 id: 950de74267 (このIDを非表示/違反報告)
桜道 あすか - 面白そうですね。更新待っております。 (2021年11月23日 12時) (レス) id: 47dc307598 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mofumegane&黒獅子凍 | 作者ホームページ:youtube.com/channel/UC-31h_OvshlXRHaXmKewceQ
作成日時:2021年11月22日 22時