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「いや、ヤってないっすよ、あんなブス。ハハ…」
「よっと…ふー…」
おった、こいつや。
俺はすかさず右手をふりかざす。
「え…？え？」
そいつはポケットに隠し持っていたナイフを取り出し、
「え？何？なになに？」
などとほざく。
「そんなもん、もっとるんと違うわ」
手を握り、少し力を入れたところで地面に落ちるナイフ。
カラン、と軽い音が辺りに響く。
俺は袖口の仕掛けを引っ張り、ナイフを引き出すと
奴の左目の下あたりから右頬に向け
素早く切りつける。
「ヒッ、ヒイィ…」
逃げ出そうとするも、
俺の飛ばした紐が奴の足に絡み、
なんとも無様に転げる。
「逃がさへんで？」
「こっからが俺の仕事やからね…復讐屋、なめとったらあかんよ？」
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･
「ハァ…ハァ…」
倉庫内で聞こえるのは奴の息遣い。
全裸で椅子に括り付けられている奴はなんとも滑稽だ。
「おっ、おい！なんだよこれ！お前なんなんだよっ！え？！」
机に並べたペンチやドリルの中からカッターを取り出し、
カチ、カチ、と刃を1枚1枚出していく。
「ふざけんなよ！おい！俺にこんなことしてっ！」
ある程度刃が出たところで奴の口をつかみ、上に上げる。
さすが高いだけあるカッターだ。
奴の首元は直ぐに切れていく。
「え？…な、何してんだ？」
「声帯の一部を切った。もう大声は出されへんよ」
「どない？泣きたくても叫び声を上げられへん気分は」
奴の口から溢れ出る、隙間風のような息。
「次はこいつや」
そう言って俺は、やつの下腹部辺りを狙う。
「お、おい…何してんだよ…？嘘だろ？」
声にならない声。危うく笑いそうになる。
「ああああああああ……」
黒いものをつかみ、カッターを突き刺し、削ぎ落としていく。
床に赤い液体がぼたぼたと垂れる。
「お前さんの米青子工場は本日をもって閉鎖や」
「……お前さん、三国志は好きか？」
「俺は夏侯惇っていう魏の武将が好きでなぁ…彼は戦場で" 目 "を" 矢 "で射たれるんやけど…」
「両親から貰った目を捨てるのは忍びねぇって、自分の目ん玉喰うんや…」
「男やなぁ…でもまあ、男だったらそうするわなぁ…あ、せや。お前さんも夏侯惇にしたるわ…」
「食え、両親から貰った" 陰嚢 "や」
まだ赤い液体が滴る黒いものを奴の口にねじ込んだ。
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作者名：りせっと | 作成日時：2019年10月20日 0時
