氷国の女医2 (ページ8)

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比奈side

音羽先生に怒鳴られ覚悟を決める。

医師免許を持つ以上わたしも医者だと。

この場の状況に負けないように

己を鼓舞し倒れている人の中に駆ける。

ミンさんのサポートを受けつつ

トリアージを行っていると夏梅さんも合流する。

夏「私も手伝います」

比「ありがとうございます…！」

患者「この子を助けて！！」

夏梅さんの姿に安堵したのも束の間、

近くで男の子を抱き抱えるお母さんが私たちに叫ぶ。

急いで駆けつけてトリアージを行い、

テントへと搬送すると、

お母さんもその子の後を追って立ち上がる。

患者「私は大丈夫ですから、」

そう言って立ち上がったが

どこかふらつく足取りで、ついには倒れてしまった。

比「！！

大丈夫ですか？！

夏梅さんモニターお願いします！」

ミンさん夏梅さんと共に容態を見ると

内蔵に損傷が見られた。

これは…

比「この方をERカーに運びます」

ミ「え？」

比「すぐオペをしなくては間に合いません。

運びましょう。」

ミン、夏梅「「はい」」

3人で搬送しながら

喜多見チーフと音羽先生に無線を入れる。

比「喜多見チーフ、音羽先生、

腹部臓器に出血が見られる患者さんを

ERカーに運びます、緊急オペが必要です。

ERカーに戻ってください」

喜「無理です。手が離せない、」

音「こっちも。」

そんな…

喜「比奈先生、あなたがやるしかない。」

比「無理です、私は研修医ですよ！」

喜多見チーフの言葉に激しく反論するが

あなたの意見はどうだっていい。
あなた以外にやれる人はいない。

と突き返される。

私がやるしか…

そう決意しオペ室に運ぶように指示したその時。

肩を叩かれる。

振り替えればそこには

比「A先生！」

『トリアージと搬送終わりました。

状況は？』

比「こちらの患者さんが腹部臓器が損傷し

出血が見られます。

今すぐオペが必要です。」

『分かりました。この方をオペ室に運んでください。

ミンさん、点滴2本用意お願いします。

比奈先生、サポートお願いしていいですか？』

比「はい！」

指示を受け、A先生に続きERカーに乗り込む。

目の前の彼女の背中にひどく安心感を抱く。