氷国の女医2 (ページ41)

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目「はい。今日の事件のことで

あなたが帰国したことは”あの方”にも知られました。

今の私にはあなたを守ることは出来ない。

との事でした。」

『…そうですか。

目黒さん、母に伝えてください。

覚悟は出来ています。今度は逃げません、と。』

目「かしこまりました。

夜分遅くに申し訳ございません、

ゆっくり休んでください」

『ありがとうございます』

ﾂｰﾂｰ

通話が切れたスマホの画面を眺め思わずボーっとする。

音「A先生…」

『あ、音羽先生ごめんなさい。

まだいらっしゃったんですね！

母には報告がいったと思うので

今日はもう遅いですし、

帰宅されても大丈夫ですよ。』

音「それ、」

帰るよう促す私に、音羽先生は指を指し何かを伝える

『へ？』

彼の指し示す先にはさっきまで通話していたスマホ…

『あっ！すみません！これ音羽先生のですもんね

ありがとうございました！』

音「本当に勘弁してください。

では。」

スマホを受け取った音羽先生は荷物をまとめ退室しようとする。

『あ！待って！』

音「なんです」

不機嫌そうに振り向く音羽先生に

どうしてもひとこと言いたくて

『音羽先生、話してくれてありがとうございます。

おやすみなさい。』

「…おやすみなさい。」

不機嫌そうでもしっかり挨拶は返してくれるところは

彼らしいなと思いつつ

退室する彼の後ろ姿を見送り

私はもう一眠りした。