氷国の女医2 (ページ5)

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数日後、

急に呼び出されたかと思うと安全委員会が開かれた。

比奈先生の事がネット記事ですっぱ抜かれてしまい

病院としても対策をしなければいけなくなった為だ。

そこで

研修医はあくまでもフォロー。

そう言い渡される。

現場経験のある私も例外ではなく、

チーフかセカンドドクターの指示の元

臨場するよう決定した。

いちいち指示を待っていては

一刻を争う現場では命取りになるため反論しようとしたが

入室した時から目が合い続ける千晶先生が

絶対従えと言わんばかりの圧でこちらを睨んでいたため諦めた。

委員会後、

MERへ向かう廊下で音羽先生の姿を見つける。

どことなくのそのそ歩く姿にいつもの覇気は感じられない。

ちょうど現れた自販機で大好きないちごオレを買う。

今日は2本。

少し駆けるとなんとか追いついた音羽先生の首元に

先程買ったばかりのペットボトルを当てる

音「…」

声を挙げずなんだと睨みつける彼に、

いたずらしておいて怒られるのは違う、と

咄嗟に微笑んで誤魔化す。

音「なんです」

『いつもより元気が無かったように見えたので、

差し入れです。』

そういうと受け取るまで退けないことを察したのか

私の手にあったいちごオレを受け取る。

音「…どうせならコーヒーが良かったです。」

『うわ、人の差し入れにケチつけますか？』

そういうとフッと笑う音羽先生につい顔を見上げる。

音「…なにか？」

『いや音羽先生って笑うんですね』

音「私をなんだと思ってるんです」

彼の言葉に今度はわたしが笑ってしまう。

そこを曲がればMERが目前という曲がり角に差し掛かった時、

遠くから緊急アラームが聞こえたのと同時に

スマホが振動した。

通知を確認するとそれは案の定出動要請でMERに急ぐ。