氷国の女医2 (ページ23)

今日:20 hit、昨日:58 hit、合計:29,334 hit

. ページ23

『私に行かせてください』

喜「A先生…」

心配そうに覗く彼に、

もう覚悟を決めたのだと真っ直ぐ見据える。

緊迫した状況に悩んでいる様子の荒井さんだったが

ついに決断をする。

荒「中野、マイクを用意しろ」

本部「荒井やるつもりか？」

荒「今はそれしか方法がありません。」

そう話すと荒井さんと共に作戦を練るため待機室へ向かう。

救出のチャンスの時はマイクを１回、

命の危険が迫ることがあった場合は2回

叩くように伝えられる。

喜「A先生…」

『大丈夫です、必ず戻ってきます』

不安そうな彼に、

余裕のある顔で答える。

もちろん凄く怖くてたまらないけど

ひまりちゃんを助けたいと思う気持ちが強く

そのためなら何だってやってやろう

そんな思いだった。

外に出るとシールドを持った隊員が護衛してくれる。

建物に近づき両手を上げ

不審な行動などしないことを示しながら

ゆっくり中へ入っていく。

店のドアのところでで品川さんが銃を突きつけ待機していた。

品「持っているものを見せろ」

持ってきた小型バックの中を見せる。

品「本当に看護師なんだろうな？」

『医師の氷川です。

本物かどうかはひまりちゃんへの処置を見てもらったらわかると思います。』

品「くっ…！いいから入れ！」

銃を突きつけられまま中へ誘導されると

苦しそうに寝そべるひまりちゃんがいた。

『ひまりちゃん！

もう大丈夫だからね。ちょっとチクッとするよ』

そう言うと持ってきた薬を投与する。

ひ「ﾊｧ、ﾊｧ…」

投与して1分経過するも

ひまりちゃんの呼吸は浅いままで容態が回復しない。

即効性の薬を持ってきたので

そんなはずは無いと思いつつ

他にどこか異常が見られないか探る。