氷国の女医2 (ページ21)

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喜「ひまりちゃんは血糖値を下げるホルモンが分泌されない為に

高血糖になってしまう病気です。

ですから食事の前にはインスリンという

ホルモンを注射して血糖値を下げてから食事をします。

ですが今食事の取れないひまりちゃんは

血糖値が下がりすぎて低血糖の発作を起こす

危険性が高まってます」

発作が起き、放っておくと死に至る。

ようやく事の深刻さに気づいた荒井さん。

喜「ブドウ糖を摂取する必要があります」

準備を急ぐ中、再び犯人に動きがあり端末に注目する

犯「ひまりが倒れた！

早く香織を連れてこないとひまりが死ぬぞ！」

その声に澁谷さんは起き上がろうと体を動かす

『今警察の方が行ったから大丈夫ですよ』

荒井さんがひまりちゃんの元に注射を持って行かせるよう説得を試みるが

香織をよこせの一点張りで聞く耳を持たない。

澁「行かせて…」

澁谷さんの言葉と裏腹に容態が悪化していく

ミ「喜多見チーフ、血圧もまた下がってます」

音「病院に搬送しないとこれ以上は危険です。」

喜「…搬送しましょう」

少し悩んだ末に、

これ以上は危険だと判断した喜多見先生が

下した決断に、メンバーも搬送に向けて動き出す

澁「ﾊｧ…ﾊｧ…行かせて…」

過呼吸を起こしながらも

ひまりちゃんを想う澁谷さんの姿に心が痛くなる。

『澁谷さん、娘さんは必ず助けます。

約束しますから。』

そう言うと私の手を握る澁谷さん。

辛そうにこちらを見つめる彼女に

安心して欲しくて力強く頷く。

喜多見先生は搬送を音羽先生に任せると

警察が待機している方向に向かう。

私もいても立っても居られずついて行く。

澁谷香織さんを搬送した事と

自分がひまりちゃんに注射を届けに行くと話す

喜多見先生に、

荒井さんはふざけるなと声を荒らげる

喜「一刻を争うことはあなたもわかっているでしょう、

時間が無いんです！」

医療従事者である彼の言葉はその場の誰よりも説得力があった。