氷国の女医2 (ページ20)

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『澁谷さん、海浜病院小児科の氷川です。

ひまりちゃんは今どこですか？』

澁「氷川先生…。

娘は、ひまりはまだ中に居ます

助けてください。お願いします。」

澁谷さんは荒井さんに訴える

その訴えを聞いた荒井さんは

喜多見先生を呼んだかと思うと

2人で何か話し込んでいるようだった。

再び入室してきた荒井さんは

澁谷さんに端末で映像を見せる。

そこに映っていたのは窓から身を乗り出す犯人とひまりちゃんの姿。

澁「ひまり…！」

ひまりちゃんを見るやいなや

起き上がろうとする澁谷さんを喜多見先生が

動かないで、と優しくなだめる。

荒「澁谷さん、我々は立てこもり事件の専門チームです。

必ず助け出します、時間をかけましょう」

荒井さんの言葉に澁谷さんは安心するどころか

首を横に振る。

澁「その前にひまりが死んじゃう…」

どういうことかと首を傾げる荒井さん。

時刻は13時を回っている。

最悪の状況が頭に浮かぶ。

澁「あの子、一型糖尿病でさっきインスリンを打ったのに食事をしていないんです。」

当たってしまった状況に時間の猶予が無いことを知る。

そしてそれはMERメンバーも同じで

置かれている状況がより一刻を争うものだと気づく中、

オペ室でただ1人、

医療従事者ではない荒井さんだけが状況を掴めずに居た。

『カルテを共有して貰えるよう小児科に連絡します』

喜「お願いします」

徳「ファイル来ました、展開します」

カルテを見て、

低血糖発作をこれまで3回起こしていることと

速攻型のインスリンを使用していることが

明らかになる。

荒「どういうことなんだ説明しろ！」

状況を把握出来ないことに痺れを切らした

荒井さんに喜多見先生が説明する。