氷国の女医2 (ページ13)

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音羽side

出動から戻り報告のため厚労省へ向かおうと

するが靴を履き替え忘れたことに気づき

MERへ向かう。

喜「まだ発作は起きますか？」

という喜多見チーフの声に身体がピクっと止まる。

彼が話す先にはA先生がいた。

思わず止まっていた身体を彼らから

見えないよう壁に隠し聞き耳だけを立てる。

忘れられない、救えなかった、

そう話す彼女の声は震えていた。

頭に手をおきなだめる彼と

少し落ち着きを取り戻した様子の彼女の姿からは

2人の信頼関係の深さが容易に分かる。

さすがにこの中割って入るのは野暮だと思い

その場を後にした。

厚労省に戻り白金大臣へ報告に行こうと久我山局長と合流する。

久「来たか音羽。大臣がお待ちだ。

…靴、どうした？」

音「出動から戻ってその足で来たので。」

案の定、スーツに運動靴という

厚労省には似つかわしくない格好を突っ込まれるが、

さも当然のように答え切り抜ける。

大臣のもとへ急ぎ向かい、

大臣室に入ると白金大臣の出す、ピリッとしたオーラに局長も自分も背筋が伸びる。