【狼ゲーム】わたしの存在理由3【飯田リンタロウ】【新村コウ】

・ ページ3

(ティーパック届かない…)




別にわたしは身長は特別高いわけでもないが低いわけでもない。女子の平均よりは高いくらいだ。わたしは高めの身長を気にしている。小さくて、可愛らしい女の子になれたらいいのに。
背伸びをしてティーパックに手を伸ばしたがやはり届く気はしない。




(仕方がない、脚立でも持ってくるか)




わたしは物置に脚立を取りに行った。案外軽いもので楽に運ぶことができた。




(よし、今度こそ)




と脚立にのり手を伸ばした。しかしまだ届かない。背伸びをすればなんとか届きそうだ。
精一杯背伸びをして手を伸ばしたその瞬間だった。
ぐらっと視界が歪みわたしは後ろに倒れかけた。






痛みは不思議と来ず、よくみるとコウくんが下敷きになってわたしを守ってくれていたようだ。





…なんて漫画のようなことは起こることなどなく。あっけなくわたしは頭から床に勢いよく落ちた。瞬時に頭に激しく大きな痛みが走る。




「っ！！」




声にならない叫び声。頭痛よりもはるかに上回る経験したことのないような痛み。
大きな音に気づいたのかコウくんが驚いているようだ。




「A、何をしているんだ？」




「はは、落ちちゃって」




「もう大丈夫」




そういってわたしは勢いをつけて立ち上がった。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す