あなたに愛を2

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というか…

大毅さんの私服を見たのは2回目(1度目はデパートで神山さんと居るところを見た)だが、前とはまた違う雰囲気の服だった。


黒のサーモカーディガンに、白のトップス、スキニーパンツ、というシンプルな格好。

髪の毛もかっちりではなくふわっと自然な感じにセットされており、いつもとガラリと雰囲気が変わっている。


雰囲気の違う大毅さんに、思わず見蕩れてしまう。


自分の心拍数が上がっているのが分かる。

ドキドキと心音がうるさい。



すると、俺の心境を代弁するかのように望が口を開く。



どうやら、大毅さんは俺らの為にオシャレを頑張ってくれたらしい。




なんてこった…



パンナコッタ…




あかん、思考回路が小3になってしまった。



大毅さんは自分が魅力的すぎる事が分かってない。



その証拠にほら、今だって、たくさんの人がこちらを、いや特に大毅さんをちらちら見ている。



こういう時、昔から仲のいい望とは言葉を交わさずとも連携プレーが出来る。

俺らは目を見合わせると、望が大毅さんの腕を引き、俺と望の間に挟むように大毅さんを引き寄せる。


当の本人は目をぱちぱちさせながらこちらを交互に見ている。



…ほんま、そういうところやねんな。





とにかく、俺らの斜め前にいる女子高生が、話しかけようかとそわそわしている姿が見えたので、一刻も早くこの場を離れようと思う。


話しかけてくれるのは嬉しいが今はほっておいて欲しい。


大毅さんとの時間が減らされるなんてたまったもんじゃない。


さすが。


望も同じ考えなのか、くるりと足をデパートの入口へ向け、ずんずんと歩き始めた。

ちょこちょこついて行く大毅さんを追うように、俺も中へ向かった。


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