あなたに愛を (ページ46)

今日:6 hit、昨日:61 hit、合計:100,954 hit

青side ページ46

青 side

望がタオルを取りに行っている間、俺は肩に寄りかかっている重岡さんを見つめながら、恐る恐る頭を撫でてみた。

…初めてや…

やっぱり…サラサラしてんねや…

あのCM撮影で使ったマネキンの髪よりも重岡さんの髪の毛の方が何倍も綺麗でサラサラ。

いい匂いもするし…

「…って俺気持ち悪いな」

そんな事を呟くと、重岡さんが身を捩りだした。

やべっ起こしたか？

そう思ったが、起きた訳ではなかった。

危ない危ない、そう思っていると、

重岡さんの身体はズルリと俺の肩から落ちて…

「…うおっ！」

俺の膝の上に倒れ込んで来た。

所謂、膝枕状態。

落ちた衝撃で目が覚めないかヒヤヒヤしたが、スヤスヤと可愛らしい寝息を立て、彼はまだ夢の中らしい。

良かった。

あの時駅で重岡さんを見つける事が出来て。

彼の傍に居て、彼を見てないと、いつか壊れてしまう気がして。

「…重岡さんの為やったら何でもしますから。」

そう言って、スヤスヤ眠る彼の頭をもう1度撫でる。
「…っ…ん…？」

彼はゆっくりと目を開けた。

どうやら起きてしまったようだ。

状況が飲み込めてなかったのか、目をぱちぱちさせていたが、俺が「起こしちゃいましたか？」と上から覗き込むように尋ねると、彼はわっ！！と大きな声を出して、飛び起きた。

「重岡さんっ、しー。」

俺が人差し指を口の前に持っていくと、彼は気付いたのか、すみませんと謝ってきた。

「…っぼくっ…あの、藤井さんの…膝に…す…すみません…」

「…いや気にせんといて下さい。俺が頭を撫でてたから起こしてしまったんですよね、すみません」

「…っへ？」

そう言うと、重岡さんは自分の頭に手を当て、顔を真っ赤にさせていた。

まぁ、俺だけやなくて、望にもされてたんやけどな。

「重岡さん、今望があったかいタオル持ってきてくれてるんで、それまで待っときましょ？」

「…っわざわざ…すみま…「重岡さん、」

「…？」

「謝らんといて下さい。俺らが好きでやってるんです。重岡さんの支えになりたいんです。望も言ってたけど、俺らの事頼って下さい。」

そう言って、立ち上がり重岡さんの前に立った。

「すみません、って謝られるよりも、ありがとうって言われる方が嬉しいです。」

彼をそっと抱き寄せる。