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流星の演技は流石としか言いようがなかった。
1発OKで撮り終えた。
「それでは次は小瀧さんお願いします!!」
俺の番がきた。
髪が少し乱れていたのか、メイクさんに直して貰っている時、彼の方へちらりと目線をやった。
彼は、スタッフさんと台本を交互に見ながら必死に打ち合わせをしていた。
(あいつも頑張ってるんやし、俺も頑張ろ!!)
よしっ、と気合いを入れ、マネキンの前に立つ。
スタートの合図を聞き
俺は女性(マネキンだが)を真正面から抱き締め、女性の頭に顎を置く。
女性はこんなシチュエーションが好きなんだろうか…。
そして、サラサラとした長いストレートの髪を少し持ち上げてみたり、手ぐしで髪を丁寧にゆっくりとといてあげたりし、優しく笑う…
あぁ!!慣れない事はするもんやないな!!
恥ずかしい!!!
最後の笑顔が少し引き攣っていたらしくそこだけ撮り直しになってしまった。
流星は「ちゃんと笑え〜」と野次を飛ばしてくる。
はよ帰れや。
そんな思いを込めて睨み付けたが、流星は全く気にしていないようだった。
監督の指示は絶対なので、笑顔のシーンをもう1度取り直す事になった。
…よしっ、今度はちゃんと笑えた。
監督からもOKが出た為、俺の撮影も終了した。
先程も思ったが、今日は何故だか、スタッフさんの数がいつもよりも多い。
見た感じ女性が多い気がする…
それもあって余計に緊張してしまった。
俺でもこんなに緊張するんやから、あいつはもっと…
そう思い彼を見ると
案の定ガクガク震えていた。
大丈夫か、と声をかけに行こうとしたその時、
1人のスタッフさんが彼に駆け寄りスマホの画面を見せていた。
彼はその画面を見ると、先程までの緊張が嘘かのように優しく、穏やかな笑みを浮かべた。
そうして、監督の合図で彼の撮影が始まった。
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作者名:悠 | 作成日時:2020年9月26日 22時