あなたに愛を (ページ35)

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緑side ページ35

微裏入りますのでご注意ください。(緑×赤)

緑 side

今日で、大阪に滞在するのも最後。

有給消化で2週間休み貰って、大阪に帰ってきた。

大阪に帰ってきている間は大毅の家にお邪魔していた。

でもそれも今日で終わり。
明日は朝イチで東京に戻らなきゃならない。

最終日やし、大毅が仕事から帰ってくる間暇やったから、ニラ玉とか作って待っとった。

多分、そろそろ大毅が帰ってくる頃やろ。

今日ははよ寝らないかんから、ちゃちゃっとお風呂を済ませ、出てくると、リビングの明かりが付いていた為、大毅が帰ってきていると分かった。

早く会いたくて、急ぎ足でリビングに向かうと、ソファに座りこんで、何やら手帳を見ている。後ろ姿だけだが、楽しそうにしているのは分かった。

ソファは俺が入ってきたドアとは逆の方を向いているので、大毅は俺の事に気付いていない。

少し悔しくて、後ろから抱き着いた。

「智」と俺の名前を呼んで、嬉しそうにこちらを向く。

何してるの？と聞くと、「なんでもないで」と返し、またこちらに背を向けてしまった。

だが俺は見逃さなかった。

目は泳いどるし、顔もほんのり赤い。

何か隠している。

無性に腹が立った。
俺に隠し事をしている大毅に。

「…何してんの？」

上から彼を覗き込んだ。

彼はあの…とかえっと…とか言いながらも俺とは目を合わそうとしない。

痺れを切らした俺は大毅の顎を持ち、グイッと上を向かせた。

「…なぁ、俺には言えへん事なん？」

つい低めの声が出てしまった。

大毅はこの声を嫌がる。

今も既に怖いのか、口を震わせながら、必死に俺と目を合わせないようにしている。
「何でなん大毅。俺に隠し事は無しやろ？」

それでも何も言わない大毅に腹が立ち、指で形の良い唇をなぞる。

大毅の薄く開いた口を俺は見逃さずに、隙間から無理やり自分の指を入れ、中でバラバラと動かしてやる。

「なぁ大毅の口は何の為についとるん？… ほんま、悪い口やなぁ。」

上顎をツーと撫でながら、そう呟く。

大毅は犬みたいに赤い舌をチロ、と覗かせている。

まぁ、俺が無理矢理させてんやけど。

可愛ええなぁ

余程俺が怖いのか、ついに泣き出してしまった。