あなたに愛を (ページ26)

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俺も流星も2人の空気感に着いていけず…固まっていると、

「…あれ？2人とも何も頼まへんの？」

「あ…いや、頼みます。」

「ここのパンケーキめちゃめちゃ美味しいで！！！」

「そうなんですね！じゃあ俺、ブルーベリーとイチゴが入ってるこのパンケーキにしよかな」

「俺もそれで。」

正直、もう何でも良くなっていた。

やから、とりあえず適当に注文した。

待っている間…

「…あれ、重岡さんは何も頼まないんすか？」

重岡さんの前にはブラックコーヒーのみ。

不思議に思い聞いてみると、

「あぁ、大毅甘い物あんま食べへんから。」

重岡さんに代わり、神山さんがそう言う。

「…そう…なんですね」

「あっ、大毅！！見てこのイチゴめちゃくちゃ大っきいやん！！あげる！！！」

「いらへんよ！智が食べたらええやん」

「ええのええの！！このイチゴめちゃめちゃ美味いから大毅にも食べて欲しいねん」

そう言って神山さんはイチゴを重岡さんの口に持っていく。

「ほら！！アーンは？」

重岡さんは顔を背けたり、体をよじって抵抗しているが、

「…大毅…食べてくれへんの？」

「…」

「…意地悪するで…？」

そう言うと、重岡さんは何故かビクッと跳ね上がり、1つ息を吐くと、

「…あー」

神山さんの押しに負けたのか、重岡さんは口を開け、イチゴをパクリと食べた。

俺らは何を見せられとるんや…

「あ、すまん大毅。生クリームついてもうたな。」

俺らは、更に衝撃な物を見せつけられてしまうことになった。

それは、

重岡さんの上唇に付いてしまった生クリームを、

神山さんが、ペロリと舐めたからだ。

「…え？」

俺はついそう呟いてしまった。
隣の流星もポカンとしている。
状況が理解出来ていないのは俺だけではないようだ。

そんな時、

「お待たせしました、こちらご注文の品です。」

俺らが注文したパンケーキが届いた。

だが、今はそれどころじゃない。

こちらのパンケーキは何とか産を使ったものでこちらの蜂蜜はどこどこで育てられた蜂から～とか長々と横で説明されているが、それどころではない。

ふわふわのパンケーキと甘くとろける蜂蜜のマリアージュをお楽しみ下さい、やないねん。

俺の頭が、唇に生クリームを付けたあざと重岡さんと、神山さんに舐められた瞬間、ちょっと小さく「んっ」て言って顔を真っ赤にしとる重岡さんでマリアージュしとんねん。

意味が分からない。

いや、俺も意味分からない。