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「藤井くんとはこの前、偶然ショッピングモールでお会いしたんです!藤井流星くんと、小瀧望くんですよね?」



「…え…と、はい。そうです。」



「奇遇ですね〜まさかこんな所で有名なモデルさん2人とお会い出来るとは。」



彼は、神山さんはそう言ってニコリと人の良さそうな笑みを浮かべ手を差し伸べてきた。



「はい、あの…よろしくお願いします」


俺はそう言い、手を差し出し、握手を交わした。


流星も続いて握手を交わしていた。





ニコニコしていて、とても気さくな人やと思った。



「座る席困ってるんやろ?良かったらここ座りませんか?」





そう言って、自分達の席を指さした。




「…え?ええんですか?」

「ええですよ!さっきもめちゃめちゃ大変そうやったし。大毅!!こっちきぃや」




そう言って自分の隣をポンポンと叩くと、重岡さんはコクリと頷き、神山さんの隣に座った。




まだ1度も口を開いていない。

ずっと俯いたまま。






せやけど、折角神山さんが誘ってくれたんやから、このチャンスは逃されへん。



ありがとうございます、と言うと、流星と一緒に席に着いた。






「それはそうと、どうしてまたこんな人が多い所に来たん?」



神山さんは、生クリームとチョコレートたっぷりのパンケーキを口に運び、モグモグしながらそう聞いてきた。




「俺が、来てみたかったんです。美味しそうやったし…。でも、男同士やったんがあれやったかもです…」


「それ言うたら俺らもやんなぁ?」


「あっ!!ちゃいます!!そういうわけやなくて…!!」


「ははっ」






「お2人はどうして?」

それまで黙り込んでいた流星が口を開く。




「俺が来たくって!!俺甘い物大好きやけど、1人で食べに来るんはやっぱり寂しいやんか…やから、大毅も誘って。仕事帰りに来てもろうたからスーツでカッチカチに堅いんやけどな?」



確かに、重岡さんはあの日と同じくスーツと黒縁眼鏡だった。





「仕事終わりやから疲れとるはずやのに、ごめんなぁ?」



「…んん。ええよ。俺も智と一緒居りたいもん。」

「ふふ〜!!ほんまお前は可愛いなぁ。」



神山さんが、重岡さんの頭をクシャクシャと撫でる。






「…ちょ、やめてやぁ…」





そう言う重岡さんは、小さくだが、確かに笑っていた。

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作者名: | 作成日時:2020年9月26日 22時

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