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青side ページ17

青 side

今日はテスト最終日だった。

数日前から望と話し合って、テストが終わったら重岡さんの所に行こうと決めていた。


今日数時間テスト頑張れば重岡さんに会えると思うと、朝から落ち着かなかった。

多分、望も同じ気持ちやったと思う。


テストが終わるや否や、望はこちらにアイコンタクトを取ってきた。

言われなくたって分かっている。

俺らは走って教室を飛び出した。


*******


彼に会った時、撮影の時とは全く別人のようやったけど、こっちがほんまの重岡さんなんや。


何故、折角の綺麗な顔を隠してしまうのか分からない。

それに、やっぱり彼は俺達と目を合わせてくれない。

俯いたまま。
しかも運悪く、今日は邪魔が入ってしまった。
言葉が悪いと思うが、どうにも、俺はあの男性が気に食わなかった。


重岡さんも、あの社長さんが来てから、彼の後ろにずっと隠れたままやった。



それに、俺は見逃さなかった。

社長さんを見た瞬間、一瞬とても嬉しそうな表情を浮かべていた事を、




あの人が羨ましかった。





重岡さんに、そんな表情を向けて貰えて。






本当に好きな人が出来ると、毎日その人の事を考えてしまう、ってよう本とかドラマとかで見てきたけど、ほんまにその通りなんやな。





俺は、自慢やないけど、昔からモテる方やった。
今まで彼女だって何人もつくってきた。

せやけど、どの子とも長く続かない。

俺の好みのタイプの子や、優しくて明るい子、話しやすくて気が利く子、面白くていつも俺を笑わかしてくれた子、色んな子と付き合ってきたが、本当に心から好きだったのかと言われると、はっきりと肯定出来ない。


俺は最低な奴や。


せやけど、あの人は、重岡さんは違う。

今まで付き合って来た人達と全く違う。


たった2回しか会ってないのに、俺の中には、どす黒く、汚い感情が渦巻いていた。


ーーーーーあの人が欲しいーーーーー


彼は俺がずっと探し求めていた人なのかもしれない。

いや、そうなのだ。



彼をもっと知りたい。


彼にもっと自分の事を知ってもらいたい。





彼に会いたい。



だが、急にこんな事を彼にぶつけてしまっても、きっと困らせてしまうだけだ。

彼はいつも笑顔どころか怯えた、怖がった表情しか見せてくれない。


決して怖がらせたいわけではない。

ただ笑って欲しいだけなのに。





モヤモヤした気持ちをどうにかしたくて、俺は1度気分を入れ替えようと、シャワーを浴びた。

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作者名: | 作成日時:2020年9月26日 22時

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