あなたに愛を (ページ16)

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「折角会いに来てもろうて申し訳ないんやけど、今から事務所に戻って書類整理せなあかんから、大毅。」

「…すみません、小瀧さん、藤井さん。」

そう言って重岡さんはあの日と同じく深々と頭を下げる。

「…っじゃあせめて！連絡先教えてもらってもええですか？」

俺は頑張ってそう告げる。

「…僕のですか？」

「はい！！」

「…分かりました。」

そう言って彼はポケットからスマホを取り出す。

俺はルンルン気分で重岡さんの連絡先を登録する。

ちゃっかり流星も登録しやがった。

「では…。」そう言って重岡さんと、社長さんは俺らに背を向け、事務所へ帰って行った。

あまり話せなかったのは残念だが、連絡先を交換する事が出来たので結果オーライだ。

自分のスマホの連絡先に「重岡」という文字があるのを見るだけでテンションが上がってしまう。

また今度だ、と自分に言い聞かせながら、来た道を戻って行った。

俺は家に帰り早速メールを送った。

『重岡さん！！お仕事お疲れ様です！！小瀧望です。今日は急に押しかけてしまってすみません。重岡さんの都合のいい時で大丈夫なので、今度一緒にお食事でも行きませんか？』

文おかしくないよな？と1人で何度も添削をしながら、数十分かけてこのメールを送信した。

返信はまだかまだかとそわそわしていた。

送ってからまだ3分しか経っていないのに。

それから数十分後、ピコンとスマホの通知音が鳴った。

急いでスマホの電源をつけると、

相手は…

「…っ重岡さん！！！」

『ありがとうございます。いえいえ、こちらこそ折角来て頂けたのに、申し訳ありません。是非よろしくお願い致します。』

重岡さんの返事はこうだった。

「…っ堅い…堅苦しすぎる…」

ちょっと馴れ馴れしくいきすぎたか…？

いやでもここで引いちゃいかん！！

頑張れ、漢！！小瀧望！！！！！！

『じゃあ連絡待ってます！！おやすみなさい！！』

と送り返すと、今度は数分も経たず、重岡さんから返信が帰ってきた。

ペコリとお辞儀をしている可愛らしいワンコのスタンプだった。

こんな可愛いスタンプをチョイスして送った重岡さんを想像するとふふっと笑みが零れた。

気が付くと、既に22時を過ぎていた。

特にする事も無いし、寝ようと思い、寝室に向かった。

次はいつ会えるんかな、はよ会いたいな、そんな事を思いながら。