あなたに愛を (ページ13)

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桃side ページ13

桃 side

「あぁ～！！！！！！もう勉強したないわっ！！！」

「うるさい望」

「…重岡さんに会いたい…」

「…まだ言っとんのか」

「じゃあ流星は？会いたくないん？」

「…そりゃ、会えるんなら会いたいわ。」

「なぁ、テスト終わったら、1回でええから会いに行ってみらんか？？」

「…は？？」

「…乗り気やないなら別にええで。俺1人で行くし。」

「…誰がそんな事言った。…俺も行くわ。」

「よし、ほなら決まりやな！！」

テストは来週の月曜日から。

重岡さんに会うためや…！！

勉強頑張らな！！！

「…いや別に約束しとらんやんけ」

「…あれ、俺声出とった？」

「うん、ばりばり。」

「はよ会いたいぃ～！！！」

「うっさい、ループする気かどあほ。」

流星にどつかれるが気にしない。

そうと決まればまずは目先の事や！！！

普段やったら授業中は睡眠時間やけど、全部の教科、目をカッ！！と開いて受けよったから、先生からは逆に心配されてもうた。

あ、でも勘違いせんといてな？

目はカッ！！！なっとっても、頭には入っとらんから！！

「やから全部声に出てんねん」

そう言われ、流星に再びどつかれる。

結局、頭に何も入らなかった俺は、俺より、俺よりほんの少しだけマシな流星が勉強を教えてくれるらしくて、土日流星の家に泊まって勉強会を開いた。

休憩や～と言って、俺はスタッフさんから送られてきたあの動画をもう1度再生した。

「りゅうせいぃぃ～！！！重岡さんやっ！！重岡さんやっ！！！！！」

「うっさい！！！分かっとるわ！！！！！！」

そんな事言って、流星も食い入るようにスマホの画面見とるのに。

画面の中の重岡さんはこんなにもニコニコと笑ってくれているのに、あの日の俺らには全く反対の表情ばかりだった。

あの綺麗な笑顔、俺らにも、いや、俺にも向けてくれんかな。