あなたに愛を (ページ11)

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赤side ページ11

赤 side

…怖い

…怖い、怖い、怖い、怖い。

カメラを向けられる事が。

大勢の人に自分の姿を見られる事が。

こんなにも汚い俺を。

仕事を引き受けたんは…健人の為…？

それもある。

せやけど、もしかしたら、俺の心のどこかに、前に進みたいって気持ちがあるからなのかもしれない。

＊＊＊＊＊＊＊

「よう頑張ったな。しげ。」

そう言って俺の頭を優しく撫でてくれるのは…

「…じゅんた…」

「"淳太さん"な？ほんまお前は何回言ったら分かんねん。一応俺社長やで？」

「…一応は。」

「繰り返さんでええ。」

「…じゅんた、ニラ玉食べたい。」

「あほ、今から仕事や。」

「…ニラ…」

「あ～！！分かったから！！そんなキュルキュルした目でこっち見てくんなや！！後で作ったるからそれまで我慢しときいや」

「…淳太の手作りは嫌や。照史のがええ。」

「…はいはい、じゃあ今日空いとるか聞いとくから。お前はほんま照史の飯好きやな。とにかく、今からお客さん来るから。お前も準備しとけよ。」

「うん。」

淳太は俺の頭をもう1度撫でた。

今度は雑にクシャクシャと、

淳太は優しい。

淳太にはほんまに感謝しとる。

あの時、俺をずっと支えてくれて。

俺を守ってくれて。

俺も、支度に取り掛かった。