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桃side ページ1

桃 side

「なぁ流星〜今日撮影何時からやっけ?」

「15時からやで」

流星はスマホをイジりながら、そう答える。

「…よな。…じゃあ今何時や?」

「ん〜と、…あれ?16時や。」

そう、時計の針は16時を指している。

既に時間は過ぎているのだ。

「はぁ〜…お前ほんまマイペースやなぁ。1時間も経っとるんやで?気付かんかったん?」

「まぁそんなカリカリすなや、禿げてまうで?」

「っさいわ!!黙らっしゃい!!」

そう言って流星の頭をペチッと叩く。

「っいてっ!!こら望!!折角セットしたのに崩れてもうたらどうしてくれんねん」

「…ふん、流星のぶぁーか!!」

そんな事を言い合っていると


ガヤガヤと楽屋の外が騒がしい事に気付いた。


つい数十分前、いつまで経ってもスタッフさんが来ない事に痺れを切らした俺は、廊下に出て探してみたのだが、誰も居らず、見つからなかった。


何事かと思い、扉を開け外を覗いてみると…

「代役はっ!?見つかったんか!?」

「…今っこちらに向かってるそうですっ!!」

「…っ小瀧さんと藤井さん待たせとるんやで…!!」



大人数のスタッフさんがドタバタ走り回っていた


いつの間にか隣に立っていた流星と俺は


『代役…?』


そう呟き、顔を見合わせ、首を傾げた。


すると、楽屋から除く俺達に気付いたのか1人の男性スタッフがこちらに駆け寄ってきた。

「小瀧さん!!藤井さん!!ずっと待たせてしまってすみません!!」

そう言うと深々と頭を下げられた。


「いや…大丈夫ですけど…どうかしたんすか?」

俺はそう問いかける。

「…っ今日、お2人と一緒に撮影するはずやった中島さんが急遽来れなくなってしまって…」

「…やから、代役がどうのって事ですか?」

「はい…!!」

「代役見つかったんですよね?」

「はい、何とか!!お2人共、今日はどうぞよろしくお願いしますっ!!!」



そう言ってもう一度お辞儀をすると、急いでスタジオの方へ走って行った。


「…何かえらい忙しそうやなぁ」

流星がポツリと呟く。

「…まぁ、スタッフさんから呼ばれるまで、とりあえず待機しとこうや。」

そう言うと流星は頷き、楽屋の中へ戻って行ったので、俺も後を追って中へ入った。

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作者名: | 作成日時:2020年9月26日 22時

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