改めて初めまして ページ8
それから、どれくらいの間泣いていたか分からない。
1時間…2時間…結局泣き疲れて眠ってしまった。
看護師さんに見つけてもらわなかったらいつまでもずっとここに居たままだったかもしれない。
何も、何もしたくなかった。
たくさんの人から何があったんだと心配されたけど、何も話す気にはなれなくて…
今は…何も考えたくなかった。
だけど、まだ諦めたわけではない。
何故かまた彼と会える気がした。これもまた根拠なんてものは無いけど。
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俺が退院、つまり彼と別れてから半年が経とうとしていた。
今俺は、事故に遭う前働いていた美容院で、また働かせてもらっている。
記憶は無いはずなのに、体はしっかりと覚えていた。
でも、復帰直後では、まだ心配だったので照史さんのサポートという形で少しずつ昔の感覚を取り戻す事に専念した。
最近やっと1人でお客さんを担当する様になった。
有難いことにたくさんの人に待っていたよ、とかやっぱ小瀧さんに担当してもらうのが1番、と優しい言葉をかけてもらえた。
今はただひたすら、お客さんに喜んでもらえるよう、そして今まで支えてもらった両親、流星、照史さん達に恩を返せるよう精一杯自分のやれる事をやろう、そう思っている。
今日も今日とて、美容院は賑わいをみせている。
予約もいっぱいいっぱいに埋まるくらいには。
カランとベルが鳴り、扉が開く。
お客様だ。俺は予約確認の為受付場へ向かった。
「いらっしゃいませ。お名前の方確認させて頂いてもよろしいでしょうか？」
「神山智洋です。のんちゃん、俺だよ。覚えてへんか？」
「え…っと…あの…」
「…やっぱ覚えとらんか…俺、のんちゃんと美容専門学校で同じやったんよ。…事故に遭ったって聞いとったけど…」
「あ…はい。あの…何も覚えてなくて…すみません…」
「あぁ謝らんといて！！しゃあない事やもん！！のんちゃんは悪くない！！とりあえず今日はよろしくお願いします！！」
「…っはい！！こちらへどうぞ！」
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悠(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます！！是非書かせて頂きますっ！！最後までお付き合い頂けると嬉しいです！ (2020年9月24日 22時) (
レス) id: 4db97cd269 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 毎回楽しく読ませていただきました。機会があったら、付き合う前から事故にあう前までの二人をみてみたいです！ (2020年9月24日 22時) (レス) id: aede5183da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠 | 作成日時：2020年9月19日 13時
