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「俺そろそろ帰ろうと思います。えげつないくらい寒いですしね、淳太さんも風邪ひかないように気をつけて下さい。」




「あ、ちょ待て。」


くるりと背を向けた瞬間、淳太さんに呼び止められる。



「何ですか?」


「駅まで送ったる」


「…え、」


「さすがに歩いて帰るんは危ないで。いくらデカくて強そうに見えてもな。」


「ほんまですか、ありがとうございます。」


そう言い、2人で車の方へ向かっていたその時だった。





「っうわぁ!!!!!」






急に淳太さんが大きな声を出した。



「淳太さん!?どうしたんですか!!」



「いっ…い…今、何か急に…足に砂がっ…バサって…」





「…砂?そんなもん、歩いとったらいっぱいかかるやないですか。」


「ちゃ…ちゃうねん、変なかかり方やってん…!!」





「…え?」




「それこそ、誰かにわざとかけられたみたいにっ…!!!」



「…とっとにかくはよ、上に行きましょ!!」





俺も何だか怖くなり、2人で早歩きで上まで登って行った。






明るい所に着いてみると「ほらっ!!!」と言われたので、淳太さんが指差す方へ目を向けると…





淳太さんのズボンが砂で汚れていた。確かに変な砂のかかり方だった。







歩いただけでこんなに汚れるものでもない。









だとしたら本当に…









淳太さんは俺よりも怖がりなのか、固まったままだった。



ようこの真っ暗の海に1人で居れたなぁ。





そんな事を思いながら、淳太さんに代わりズボンの砂をパッパっと落としてあげた。






「…す…すまんな、小瀧くん。ありがとう。」


「いや、気にせんといてください。」





淳太さんに乗りな、と言われ助手席にお邪魔させてもらう。






出発したはいいが特に車内の中で会話が飛び交うわけでもなく。




ハマちゃんの時とは違った。








だが、








「…あれ…この曲…」






「ん?知っとるんか?」






「…いや…分からないんすけど…何か…聞き覚えがあるっていうか…」






淳太さんの車の中でかかっている曲に何故か懐かしさを感じた。









「…これな、大切な家族から貰ったCDやねん。」




「へぇ…」

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(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます!!是非書かせて頂きますっ!!最後までお付き合い頂けると嬉しいです! (2020年9月24日 22時) (レス) id: 4db97cd269 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 毎回楽しく読ませていただきました。機会があったら、付き合う前から事故にあう前までの二人をみてみたいです! (2020年9月24日 22時) (レス) id: aede5183da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年9月19日 13時

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