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午前中の検査を終え、リハビリまで時間があるので、屋上へやって来た。
何だかんだここの病院に2ヶ月くらい居る。
最初の頃は記憶がない上に不自由な身体に不安だったし、怖かったけど、両親だけでなく、幼馴染の流星も見舞いに来てくれた。それに、「照史さん」という人も来てくれた。この人、実は俺の職場の店長さんらしい。俺びっくりしてもうた。
というのも、俺は、美容専門学校を卒業後、美容師としてバリバリに働いとったらしい。
それも、意外と有名で人気やったんやて。凄ない?
俺今年23歳らしいんやけど、5年分の記憶が無いからしっかり覚えてるんは、18歳の途中くらいまでなんよね。まぁ…だから覚えてないんも納得…したくないんやけど、仕方ない事やねん…。
簡単に言うたら、俺は18で止まってんねん。
…なんか凄いな。見た目は23、頭脳は18…ってどこの名探偵やねん!
1人でボケて、セルフツッコミを入れるくらいには俺は回復してるらしい。
でも…まぁ、ちゃんと働けてたみたいで良かった。
照史さんもええ人そうやし、「ずっと待っとるからな」って言うてくれた。
正直今の俺が使いもんになるかは分からんけど、期待には応えたい。
はよ、復帰せな!
自分の頬をぺちぺちと軽く叩いて喝を入れた時だった。
「なんや、えらい元気やなぁ」
突然どこからか声が聞こえた。
確か、屋上には俺1人しか居なかったはず。
急いで後ろを振り返ると…
「なんやねん…誰も居らんやんか…」
気の所為か、と前を向き直すと
「ばぁ!!」
そこにはドアップで自分に迫っている青年が。
「うぎゃああああ!!!!」
俺は驚いてしまいベンチから転げ落ちそうになってしまった。
驚いた反動で骨折している足にズキリと痛みが走った。
「痛っ」と呟くと、目の前の青年は目を丸くし、慌てて、
「あぁ!!すまん!!怪我しとったな!!つい癖で…」
どういう癖やねん。知らん奴驚かすんが癖なんかこいつは…
「…どちら様でしょうか…」
俺は恐る恐る目の前の彼にそう尋ねる。
「俺?俺はぁーんとね…そやなぁ…誰やろか」
青年は顎に手を当て、困ったような表情を浮かべた。
顎に手を当て困りたいのはこちらの方だ。
「俺もなぁよう分からんの!!すまんなぁ!」
だめだこの人。
これが、彼との出会いやった。
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悠(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます!!是非書かせて頂きますっ!!最後までお付き合い頂けると嬉しいです! (2020年9月24日 22時) (レス) id: 4db97cd269 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 毎回楽しく読ませていただきました。機会があったら、付き合う前から事故にあう前までの二人をみてみたいです! (2020年9月24日 22時) (レス) id: aede5183da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠 | 作成日時:2020年9月19日 13時