壊れた機械人形 (ページ5)

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4話ページ5

『…康二、あれカラ、大丈夫でしタか？』

康二「俺は全然平気や…家にいる連中らも関西に戻した」

『よかっタ。』

康二「全然…よくない…なんで、こないなこと…」

『仕方ノ無い事です。元々私たチは生マレテハイけなかったンですよ。元に戻ルだケデス。』

康二「でもっ…」

『今ノ貴方ナラ、私ガイナくテモ、大丈夫デスヨネ…？』

康二「嫌やっ！Aっ！」

『私カラ、ノ。オ願イデス。モウ、視覚モ、声帯モ…ダメニナッテ、シマイマス。』

康二「っ…分か、った。もう、大丈夫やで！俺っ…1人で…」

『フ、フ…泣キ、虫サン。デス…ネ』

康二、の頬に向かって腕をギシギシと動かして手を添えると優しく微笑んだ。

康二「A…Aっ…俺、無理かもしれん…」

「あんな事言ってまったけど…1人、寂しいから。帰ってきて欲しいって思ってまうで…」

「なぁ、どうしたらいいん？…こんな時は…どうしたらいいや…」

頬に添えられた手を握って俯く康二さん。

その抱えられているAから出てくる謎の液体

渡辺「水を差すようで申し訳ないんですけど、一旦家の中に入ったらどうですか？」

康二「…Aは、何処に居たんですか？」

深澤「海の土手沿いに居ました。」

康二「海…あぁ、なるほど。だから少し錆び付いてしまってんや…
ほな、君らが言うように失礼します。Aをここまで運んできてくれてありがとうございました。」

俺らはその康二さんと微笑んで動かなくなったAの背中を見ることしかできなかった。

康二さんの為にあそこまで気にかけることの出来るあの"人"は

『ありがとうございました。』

やはり他の人形とは違うのかもしれない。

壊れた機械人形

fin.＿＿