2話 ページ3
side:fukazawa
深澤「そっか」
渡辺「…未練とかねーの?」
『未練…?』
渡辺「別に暇だから、できる事なら付き合ってやるよ」
『みれン…ご主じン様に、会いタイ』
深澤「ご主人様…って、さっきから言ってるその逃がしてくれた人?」
『…はイ。最期二1目、見る事さえデキレば…私は満足デス。』
一目見たいと言う彼女は優しく微笑んでいて綺麗だった。
翔太もみたいだけど俺も何かやりたい事があるなら協力したい。
深澤「俺は深澤辰哉、んでこっちのが渡辺翔太。」
渡辺「こっちってなんだこっちって」
『深澤タツ哉、ワタ辺翔太。認識シマした。私は機械人形 M-07(エム ゼロナナ)デす。』
渡辺「そのM-07以外になんて言われてたの?ご主人様からとか」
『名前…A。』
彼女はA、と言われていたらしい。
M-07だからそれに似てる名前かと思ったけど意外と似ていなかった。
いいご主人なんだろうな
深澤「ん、じゃあ俺らAって呼ぶから、辰哉と翔太でいいよ」
『了解しました。辰哉、翔太。』
渡辺「んじゃ、行くか!」
深澤「いやいやどこか知ってんのかよAのご主人様の居場所」
渡辺「あ…」
深澤「はぁ…」
『ご主人様はこの海沿い二建つ御屋敷に住んでオられます。』
相変わらずの翔太の無計画さに呆れているとAが教えてくれた。
俺らもそこなら何度も前を通ったことがあるからすぐに行ける。
渡辺「おっけー、んじゃあ運ぶよ?」
『あ、待っテください。』
そう言うと彼女は自分の壊れかけている左腕や上半身から垂れている何かしらのコードを引きちぎる。
『…これで運びヤすくナりました。お願いシます。』
渡辺「え、いやそれ大丈夫なの?寿命縮まったりしない?」
『機能しテいないモノを外しまシタ。重いモノもあったのデ…お願いシマす。』
深澤「はいはい。じゃあ行くぞ〜」
渡辺「いや、運ぶの俺だから」
翔太のバッグも持って呑気に歩き始めると後ろからツッコまれる。
まぁまぁ、俺はそういうの専門外だからね、しょーがない。
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作者名:はねちゃ | 作成日時:2023年11月8日 7時